メールを送ったのに、鳴らないケータイ。 特別な、個人用の着メロ。 その着メロが鳴らなくて。 私は堪らなく落ち込んでいて。 切ない文章を読みながら、紙面上の二人に己を重ねた。 それはとても愚かな行為で、読み終えたあとは最悪な気分になった。 ただただ惨めになった。 二人はとても幸せそうで、私も嬉しかったけれど、やっぱり惨めだった。 紙面上の文字の羅列に憧れるなんて、どうすれば良い。 そこまで追い詰められている。 誰かに言わずにはおられなかった。 涙はあまり出なかったけれど、自分の想いの深さを、思いの外実感した。 嗚呼、私はどれだけあの人を愛しているんだ。
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