私、書いてなかったんですけども。 十五日。要するに三日前。 その日に、恵母さんから貰った、大事な大事な物を無くしてしまってたんです。 誕生日に貰ったものの片方。青いブレスレット。 失くしたと気付いた時は、もう半狂乱で。 本当に狂いそうなほど、どうしよう、って思って。 それこそ死に物狂いで捜しました。 …でも、見つからなかった。 それこそ、家族全員に尋ねました。 でも、知らなかった。 次の日も、次の日も探した。でも見つからない。 そして、夜になると決まって、恵母さんの顔が浮かぶ。 罪悪感からか。宝物の喪失感からか。 そして、酷い悲しみと後悔に苦しめられて、中々寝付けなかったりもしました。 昨日も、そうだった。 明日から、また補習で、恵母さんにも会うし、 失したことを隠しても仕方ないし、騙したくなんてなかった。 だから、その事についての告白文を、書いてたんです。先刻。 でも、書きながら、やっぱり絶対に有る、無くなる筈なんて無いじゃないか…! って何度も想ったことをまた思って、再び捜し始めました。 そうしたら。 有りました。 誰かが見つけたんだろうけど、机の上に。(私のじゃなく) それを見たとき、目を疑った。 本当に有った。 これは、本当にここに在る。 嬉しくて、嬉しくて。 ソレを握って泣きました。 本当に嬉しくて、安堵して。 在って良かった。もう、失くさない。 私の左にあるのが当然で、無い方が違和感だった。 これであの違和感からも開放される。 良かった…良かった…。 心から嬉しくて…。 少し傷付いていたけど、在ること自体が嬉しくて…。 良かった…。本当に良かった…。
|