同じものを見て 同じものを聞いて
だからって 「丸ごとなにもかも同じ」はなれない
それは至極当然のこと
だって
あたしたちはあたしたち ひとりひとりが別の生き物で
自分の目で見て 自分の耳で聞いて 自分の心で感じる
そんな風に それぞれの個性を持った誰かと この長い人生の上で
出会い 気付き 惹かれ
やがては手を取り 同じ道を歩くこともある
違う環境と 違う立場と 違う目線と 違う感情と 違う経験とを抱いて
同じ道を歩く 家族になる
血の繋がった家族でも 別の生き物だから 考えや思考は違って当然
そんな中で 家族になる
あたしも以前は 50:50の関係に憧れた
でもね それはそんな容易いことじゃない
なにもかも綺麗に半分こ そんなこと出来ないんだよ
悲しみは半分に近くはなるけど やっぱり当事者が一番悲しい
嬉しさも2倍にはなるけど 当事者が一番嬉しい
そんなもんだよ
好きも大好きも愛してるも 同じ「くらい」にはなるけど 「同じ」にはならないよ だから少しでも同じ気持ちで在りたいと願うんだよ
見ている未来が違う そんなの当たり前 だって、違う人間だから
目指す目標が違う それも当たり前 歩む道が違うから
奇跡的に絡んだ この運命の糸を 紡ぎ続けるのも 断ち切るのも 自分自身なんだ
何十億の人の中で 同じ国に生まれ そして出会う
それだけでも 凄い奇跡なのに
なにをそんなに求めるの?
すれ違った道は いつかまた 交わるかもしれない
ずっとこの先も その運命の誰かと 共に一緒にいたいのなら
どちらかが我慢するとか どちらかが遠慮するとか
それは違うよ
そんな一方的な関係は きっとそんなに長くは続かない
理解すること 理解したいと思うこと
許すこと 許したいと思うこと
愛すること 愛したいと思うこと
願うこと この長い旅路を共に歩むことを
偉そうに語れるほど あたしは恋や愛を知らないけれど
好きだと想う甘酸っぱさや 恋しいと涙する夜 愛してると囁く声の甘さ
知っているから
傍にいてほしいけど 助けてほしくないよ これはあたしの恋愛だから 傍で見てて欲しい
この気持ちに性別は関係ない
女だから助けられたがるとか 男だから意地を張るとか そんなの関係ない
誰もなにひとつ同じじゃない 世界中の人の数だけ 恋や愛は存在するのだから 同じものはないよ
|