*未完成のお城*

2001年11月01日(木)  罪悪感

高校1年の最初、第一印象が最悪だったカノジョと高校1年の冬、仲良くなった。
最初の印象が嘘みたいに180度変わって、とても良い友達になれた…と思ってた。
高校2年の…いつだっけかな…。
あたしが、カノジョより先に英検の準2級に合格した時、
アレだけ過去問を勉強したのだから自分が落ちるはずがない』と
自信満々だったカノジョ。
全然勉強してなかったあたしだけが受かったのを知って、『運がイイヒトはイイよね〜』と馬鹿にしたように言った。
アレはあたしの被害妄想?そうじゃないよね。
必死で勉強してた自分が何の悪戯か不合格で、何も勉強してないあたしが受かったのが、凄く理不尽だったのでしょう?ハッキリ言ってね、ざまァみろ、って思ったよ。アンタも知っての通り、あたしは性格悪いからね?
『運も実力の内だしね』ってあたしが言った時のカノジョの顔が、凄く怖かったのを覚えてる。
それから…たぶん、その時から。
少しずつ歯車が狂い始めて…第1印象よりもずっと、カノジョの事が嫌いになった。
県内の国立大学への推薦を取るのだと、必死だったカノジョ。
私大を第1志望にしてたあたしを、小馬鹿にしたように『其処は自分にとっては滑り止めだから』と嘲笑った。
どんどんプレッシャーで潰れて痩せていくあたしの横で、どんどん太っていったよね。
周りの友達に『アンタ、カノジョに精気吸われてんちゃう?』って何度訊かれたか分かんないよ。
アンタは、あたしの横で毎日毎日毒を吐いていって。
あたしが潰れていくのを嘲笑っていたよね。
1日でも口をきかないと『怒こってるの?なんで?何かした?』って訊いてきて。自分で考えれば、分かるでしょう?
あたしが頑なな態度のままだと『自分はいじめられっ子だったから、アンタにそういう態度取られても仕方ないんだ』って卑屈に言って。
そうして、あたしにどうして欲しかったわけ?
アンタがいじめられっ子だったのには、間違いなくアンタの性格が関係してるんだから。
あたしがいじめっ子だったのも、あたしの性格が関係してるけどね。其れは、否定しない。
だからってあたしはアンタをいじめたりはしなかったし、無視はしても、それはあたしひとりがそうしていただけであって、アンタにはサクヤに傍にいてもらってたじゃない。
私大の試験前日に推薦合格の報を受け、『そっち(試験)には行かないから〜♪』とご機嫌だったカノジョ。
ハッキリ言って、もう、その時から素直に『オメデトウ』は言えなかった。言わなかったしね。
大学に入って、ウチの妹の家庭教師を頼んだ時。最初のやる気、3ヶ月も持たなかったよね。
家庭教師の時間はどんどんお喋りタイムになっていって。
こっちはお金も払ってるってのに、妹の成績は上がるどころか現状維持がせいぜい。
悪い時は、赤点なんかも取ったりしてたよね。
それも、ウチの妹のせいにして、自分は知らん振り?
いつの間に、『今月の報告』はなくなったんだろうね?
アレから4年。
疎遠になってからは…何年だろ?2年かな?家庭教師をやっとのコトで辞めてもらってからは7ヶ月か。
残念だったね。楽しておやつまで出るバイト先、無くなって。
アンタに、ウチの両親がどれだけの給料払ったんだろう、って思うと悔しくて仕方ないよ。
それなのに、ウチが金持ちだ、って吹聴して回ってんだって?
あたしが車を買い換えたのは前に乗ってたのが動かなくなったから、の仕方なく、だよ。
それに中古でずいぶん安くしてもらったしね。
うちをリフォームしたのだって、必要に迫られてのことだったし、お金があってした訳じゃない。現実、ウチの家計は火の車だしね。
アンタんチみたく、何ヶ月も掛けて家を全改築してる方がよっぽど金持ちなんじゃない?
しかも、母親は専業主婦でさ?うちは共働きだよ。
アンタんチには負けるよね。


此処まで吐いて、また自覚してるよ。
アンタのこと、好きになる可能性はもうないよ。
もう、当然のことだけど『トモダチ』でもいられないね。
アンタも、あたしのこと、嫌いでしょう?
これから先、友達やっててもお互いメリットも何もないからさ。
不愉快になるだけだし。
お互い嫌い、でイイじゃん。
もう、『トモダチ』の仮面被るの、よそう?







そう思ってるのも事実だけど。
何かね…何だか…たまに、居た堪れない思いに駆られる事がある。
何だろう、この思いは。
罪悪感?そうだね、それが一番近いのかもしれない。
…偽善者だからさ、あたしも。





何時か何処かで
カノジョと出会った時
笑顔で会話を交わすのは
不可能だろう

あたしはこうやって
どんどんヒトを傷付けて
そしてやがては
独りぼっちになったり…するんだろうか


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hinase