せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2010年03月14日(日) シアターΧ名作劇場「茶の間」「囲まれた女」 ワークショップ「アンドロマック」

 3月14日(日)
 午後からシアターΧの名作劇場を見に両国へ。
 駅で、石関くんと待ち合わせ、倉庫から借りていた着物類を受け渡し。
 彼は日ヶ久保さんと待ち合わせて、一緒に倉庫に向かうとのこと。
 名作劇場、今回は室生犀星「茶の間」と田口竹男「囲まれた女」の二本。
 雪の降る夜、夫の帰りが遅い中、姑と熱を出して寝ている子供たちと留守番をしている妻。幼なじみのように親しかった男がやってきて、お茶を飲んで帰って行く。
 帰ってきた夫は、そのことに少し気持ちを乱されながらも、寝室へ先に行く。
 鏡台に向かって寝支度を整える妻。と、そこで幕。
 これだけのほんとに何も起こらないと言っていいような話なのだけれど、とてもおもしろかった。
 「根岸の一夜」でご一緒した山口晶代さんが妻、訪ねてくる荻島という男を松尾智昭さん、夫を「城」に出ていた藤本至さん。しっとりといい芝居だった。
 二本目は、終戦後間もなくの京都の一杯飲み屋を舞台にしたお話。
 女で一つで切り盛りしている主人公が、身内や妾として世話になっている旦那やら、妹同然の女の子やらに、どんどん追い込まれていく。全くお金の問題なのだけれど。
 軽やかな京都弁と身のこなしで演じていた山崎七甫さんが素晴らしかった。どんどんやってくる無理難題としょうもない男達を一手に引き受けて、一歩も引かない強さ、したたかさ。
 二本をとてもおもしろく見て、終演後、キャストのみなさんに会い、松尾さんとは握手。川和先生に御挨拶して失礼する。
 夜は、ワークショップ2日目。
 昨日の続きということではなく、ほぼ同じアップとゲームをして、その後、テキストへ。
 今日は、ラシーヌの「アンドロマック」4幕2場。
 エルミオーヌとオレストの場面。
 昨日の「真夏の夜の夢」で、「シェイクスピアはカットできるけれども、ラシーヌはむずかしい」と話したそのラシーヌを、テキレジしていってもらう。
 大事なせりふはどの部分なのか。
 今日は、2人組ではなく、エルミオーヌ組、オレスト組に分かれて。
 2人で話しあうのとは違う、大変さがあるのだけれど、そのあたりも体験しながら、作品作りにつなげていってもらう。
 ドラマチックなエルミオーヌ組がほぼ男性、誠実なオレスト組が女性ばかりだったのがおもしろかった。
 最後に、ざっくりと動きをつけてもらっての発表。
 昨日とはまた違った、みんなで作品を作ったという手応え。


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