せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2009年11月06日(金) 劇団朋友「百合の季節」と老けの芝居

 11月6日(金)
 劇団劇作家の相馬杜宇くんが台本を書いた、劇団朋友の「百合の季節」を見に、俳優座へ。
 おばあさんばかりがいるアパートへ、一人のプレイボーイなおじいさんがやってきて・・・というお話。
 舞台は、大きなテーブルと、それをとりかこむような椅子がある庭の一杯道具。
 ベテランの俳優さんたちが、きっちりと芝居を見せてくれるのだけれど、一番、感動したのは、場面転換の様子だった。
 暗転をしないのは、物語の流れを切ってしまわないためかもしれないし、暗転中の移動は、年配の俳優さんたちには大変だろうという思いやりかもしれないが、おかげで芝居の本編とは少し違う、俳優さんたちの姿を見ることができた。
 「おばあさん」という役どころなわけだけれど、みんなてきぱきと動いて(本編の間もそうなんだけど)、小道具の出し入れをしている様子が、なんだかとっても素晴らしいことに思えた。
 そこだけ若返っているというわけでもないのは、ことさら老けの芝居を作っていない、自然体な役作りなんだなあと思ったことが一つ。年寄りの役だからって、小走りしたって全然平気という覚悟が、とてもさわやかだった。
 そして、限られた時間の中で適確に動いていく女優さんたちの姿はとんでもなくかっこよく見えた。
 いいものを見せてもらったなあと、うれしい気持ちになる。
 終演後、同じ回を見ていた藤井ごうさん、青年劇場の福島さんに御挨拶して、お先に失礼する。
 六本木の駅に下りてしまうのはもったいなくて、乃木坂までのんびり歩いた。


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