せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2001年12月23日(日) |
フライングステージ稽古 |
午後と夜の稽古。 台本はついに完成。 ラストだけをどうしようかと悩んでたんだけど、昨日の稽古場で、マミーとアルピーナさんが話してたアイデアを「そっくりいただく」ことにする。 ヨシオ以外の全員が揃ったので、今日は通してみることにする。 まず、今日もってった、ラストシーンを組み立てる。 それから、昨日の稽古にいなかった荒くんがらみの場面。 ていうか、昨日持ってった部分を作り上げる。 犯人探しの場面と回想シーンが交錯するシーン。 思い切って、「わざわざ」交錯させることにした。 稽古をしながら、僕の松子夫人がフッチーの青沼静馬を殺す場面の効果音を、出演している全員が出すことになった。 映画だと、ものすごい血が飛び散るんだけど、舞台じゃそんなことできないし、どうしようかと思ってた。 あ、高峰三枝子は、クランクインの日にこの場面を撮ったんだって。 それまで「どうだろう?」ってみんな思ってたんだけど、あの場面で思いっきり血を浴びちゃって、素晴らしくはじけたんだそう。 「ドフッ!」(斧が頭に刺さる音)とか「プシューッ!」(血が飛ぶ音)とかを、思い切り「口で」やってもらう。 高市氏の感想は「安さもキワまったってカンジ」だそう。 うん、たしかにね……。 ラストまでの段取りができたので、一休み。 夜からは、音響の亜弓ちゃんが来てくれた。 で、一度通してみた。 衣裳の確認をわらわらしてたら、そのあんまりな「学芸会感」でクラクラした。 金田一耕助はいるし、黒いドレスを来た人たちはいるし、着ぐるみはいるし、ゲロゲロ鳴くカエルはいるし……。 通してみた結果は、前半、特に遺言状の公開の場面が、かなり重たかった。 全体のタイムもちょっと長め。 でも、とりあえず、通った! で、細かくダメ出し。 ほとんどが段取りなんだけどね。 で、オープニングから遺言状の公開までを返してみる。 みんなに「先に進もうとすること」と「重くやらない」ことをお願いする。 で、できた場面は、とっても軽やかなもんだった。 特に、遺言状を読む古館弁護士(小澤榮太郎)役の荒くんの変わり様はとってもイカしてた。 映画はなかなか重厚なんだけど、セリフが主体の舞台で、そんな「雰囲気」を真似るととってもヘビーなものになってしまう。 テイストを限りなく盗んで、笑ってしまうのが「パロディ」の本領だから、さくさくと軽やかに運んでいきたい。 最後に、三姉妹が青沼菊乃をいたぶる場面をやる。 フッチーに、「この人はいじめられてるんだから、余計なことをしないように」と話す。 ただでさえ、三姉妹が「スケバン(!)」みたいなので、できるだけ「はかなく」やってねと。 ちょっと早かったんだけど、今日はここまで。 明日は、全員揃うので、また通してみようと思う。 今回の、台本は、稽古場で「こんなふうにしたら、ばかばかしくていいよね」ということを、どんどん取り込んでできてった。 「犬神家の一族」というとってもイカした、僕たちが大好きな映画の、一人一人が好きなポイントみたいなところを、おいしく料理しなおしてるかんじが楽しい。 本番まで、もとい、本番も、楽しく、楽しんでしまいたいと思う。
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