2001年11月15日(木) |
フランス流びんぼう生活 |
SABBY さんの Handmade Cosmetics の11月の特集で冬用の化粧水としてローズ・ウォーターがお勧めとなっていました。しっとりさせたいときにはアロエ・ベラ・ジェルを加えるのもよいとのこと。ほかにもお勧めになっていたものはあるのですが、そういえばたおさんのところの掲示板でも以前 KIYOMI さんがローズとアロエを勧めてくれていたっけと、さっそく作ってみました。
わたしが使っているのはローズのエッセンシャル・オイルを軟水のミネラルウォーター 100ml に1滴だけ垂らしてよく振ったもの。これがだいたい8分目まで減っていたところに小さじ2分のアロエ・ベラ・ジュースを加えました。
アロエ・ベラは 0.3%とはいえ保存料が入っていたので、はじめはあまり気乗りがしなかったのですが、使ってみたらこれがすごい!!肌がぐいぐいとコットンの水分を吸い込んでいく感じ。そしてつけた直後から肌がふわふわに柔らかくなっているのです。
まだ化粧水のなかにはグリセリンを入れていないし、クリームもつけていないので、そのままではちょっと肌は乾燥ぎみなんですが、わたしにはこれくらいでベスト。持ち主に似て怠け者の肌なので、潤いは足りないくらいにしておけば、明日の朝にはばっちり絶好調になっています。潤いをたっぷり与えてしまうと、自力で潤わなくなってしまうので、できるだけ厳しくする必要があるのです。(苦笑)
ただ、アロエ・ベラにも香りがあるので、ローズの香りはだいぶ薄くなってしまいました。この化粧水を作るのに使ったのは本当にほんとうにお気に入りのローズのオイル。いま手元にあるのは別メーカーのものでずっと安かったけれど、いまいちです。しばらくはこのままで、そのうちお気に入りのほうを買いに行ったら、もう1滴足そうかな。
* * *
14日の日記を書いた時点で Amazon.fr に注文していたハーブの本は結局キャンセルしてしまいました。よく考えてみたら、この季節に野山散策はちょっと厳しい(苦笑)。 それならいま買う必要はないかな、と。
日本にいたころは、ほしいものがたくさんあったんですけどね〜。いや、いまでもたくさんあるんだけど(苦笑)。 日本にいたときは、ほしいものを買えるだけのお金を稼ごうと思っていたのです。でもこちらに来てから、いま買おうとしているものは本当に自分にとってどうしても必要なものなのか、なくても生きていけるんじゃないか? そう問いかけることが多くなりました。
はじめは単純にお金がなかったからでした。貯金の金額はたいしたものではなかったし、わたしがパリに来たころは1年目の留学生はアルバイト禁止。2年目以降も学生には週19時間以内という制限つき。でもそんな制限がなかったとしても学校の課題が多く、また語学力も充分ではなかったので、映像製作の学校に通っているのに、映画を見る時間すらないくらい(苦笑)。 とてもとてもアルバイトどころではありませんでした。
それに、フランス人の学生達のあいだではそれほどアルバイトをすることは一般的ではありませんでした。はじめてもすぐに止めたり、夏の間だけだったり。日本のように徹夜でがんがん働いてお金を儲けている学生はついぞ見かけませんでした。
そしてみんながいかにお金をかけずに暮らすか考えているので、自分が日本にいたころほどお金を持っていないことに特に抵抗を感じなかったのです。3年間学校に通って、みんなで夜にレストランに行ったのはたった1度きり(笑)。 あとはいつも誰かの家でパーティでした。
いまは滞在身分を学生から、フリーランスで仕事ができる身分に変えました。それでも周りを見回すと。。。。フランスの中流の人の所得、つまり経済的に非常に困窮している人を除いたうえでの収入の平均は月に 12,000 フラン程度と言われているそうです。いまは1フランが 16 円くらいですから、月に20万いくかどうか、くらい。2人で働いてようやっと 40 万。この金額が税金込みか、抜きか忘れてしまったのですが、どちらにしろ日本の平均よりはかなり低いですよね。
しかもフランスは年功序列ではないので、月に20万の人は 40歳になっても、50歳になってもやっぱり 20万なわけです。そしてボーナスの制度も一般的ではありません。企業の幹部は契約時に交渉すればもらえますが、一般の人は企業が良心的であれば 13th month と(英語に直訳するなら)いう制度で年末に1カ月分余計にもらえるだけ。これとてない企業も多々あるそうです。
これが中流のレベルです。パリの家賃レベルは、エレベータ・浴槽・安全があるところにこだわると東京と同じくらい。勢い、みんないかにお金を使わずに生活を愉しむか、を考えるわけです。
日本で大学生をしていたころ、春休みに1カ月ほど語学留学のためにホームスティをしました。とても大きなおうち(アパルトマンであって一戸建てではありません)で、毎朝銀のティーポットで紅茶を入れてもらえました。でもしばらくして気がついたのですが、優雅でやさしいマダムは3枚のシャツ、2枚のカーディガン、2枚のスカートだけを毎日着回していました。
ところがお嬢さんの結婚式の写真では大きな帽子と共布のオートクチュールのスーツ。ムッシューは高いシルクハットと縦じまのスラックス。親戚一同がそんな格好で、半円になって立っているそのはるか後ろには白亜の。。。。(笑)
建築家だったマダムのご先祖が建てたもので、親戚一同で使っているのだとか。「田舎の家」と言われたので、つたないフランス語で「これはお城というのではありませんか?」と言ったら、笑って部屋数を教えてくれました。忘れちゃった、34くらいあったのかな。白い馬が2頭いるそうですが、最後まで「お城」とは肯定されませんでした。(笑)
その広大な土地もお城のような建物も、お金を使って手に入れたものではないとはいえ、普段の生活の質素さと、結婚式での華やかさのコントラストはとても鮮やかでした。
うわ〜、かわいい、ま〜、きれいな色、わ〜、ほしいと思っても、本当に必要かどうか自分に訊く。なくても生きていけると思ったら、ものを増やさない。ただし、ここぞというときには惜しまず使う。はじめのうちは慣れなくてストレスをたくさん溜めてしまいましたが、いまはすっかりそんな暮らしかたに慣れてしまいました。
* * *
でもね〜、日本に帰ると買いたくなるのよ。(苦笑) みんなちゃんと流行の格好をしてるから、あまりにもそれからずれた格好をするのは気恥ずかしいし、みんながんがんレストランに行ったり、飲みに行ったりするしね。
というわけで、日本にいるときは「これはフランだといくら」、フランスにいるときは「これは円だといくら」とは考えないようにするわけです。(笑)
きゃ〜、ウッズよぉ〜。 まじめな顔してるわ〜。 優勝なんてしなくたって、わたしは愛してるわ〜。
|