藤沢周平原作『蝉しぐれ』を見に行きました。
江戸時代の東北の小藩の下級武士の子、牧文四郎の幼い頃の淡い思いから 尊敬する父親の藩内の世継ぎ争いによる切腹、そして試練の日々、 初恋の女性は殿様の側室に。。。
物語のおもしろさや映像のすばらしさはもちろんなのですが、 こんなに感動した映画は、いったいだれが、どんな思いで作ったのかが 一番興味があります。
黒土三男監督はこの映画を作るのになんと、15年もかかったそうです。 それも、藤沢周平さんに映画化を何度も断られても絶対にあきらめなかった。
それはこの『蝉しぐれ』に出会ったとき、 「これは自分のものだ。自分が映画にするために出会った だからあきらめない!」 まるで一目ぼれの女性に出会った感覚だそうです
15年間の構想の後に、ご自分自身、日本中を歩き回って ロケ地を決めたそうです。
黒土監督は、
『映画は監督が一人で作るものじゃなく、みんなの力を集結して 何もないところから作り上げていく。 それほどにすばらしいもの! だから命がけ!』
あきらめないこと! そして命がけ!
だからこんなに、心に深く感動をあたえる映画ができたのでしょう。。。
映画の中の文四郎の初恋の人。。木村佳乃さんが演じているのですが、 外側だけではない内面の気高さが心から離れません。
久しぶりに、自分の中に一番大切なものが見つかったような、 そんな感覚のすばらしい映画でした。
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