にあ日記
酒と薔薇の日々(目次の★は更新分)|酒(過去)|薔薇(未来)
5時に龍泉寺につくと、もう喪服の人々がぽろぽろと集まりだしていた。 受付で記帳を済ませて、裏のお墓に行く。 お墓とお墓の間に彼岸花が咲いているのを見て、 彼岸花は毒花で真っ赤なのに妙に似合うな、と不思議な気持になる。
もしも自分が死んでも、葬式はしてほしくないと思っていたし、 骨も適当に散骨してほしいと思っていたが、 海に散骨時に添える花がいるなら彼岸花にしてほしい。 あの赤い色が好きだから。
奥方が泣いているのを見てほっとしたりする。 亡くなった後、これで開放されるといっていた、と聞いていたし、 ある人がそのあまりに平然としたように見えたという姿を見て ショックを受けていたというしね。 一緒に暮らし、一緒に時間を過ごしてきた、 その人が泣いてくれないなんて悲しすぎるから。
最後には骨までガンに冒されていた、と聞いて さぞかし痛かったんだろうなと思いながら祭壇の4年前の写真を見る。 写真は明るく笑っていて、きっとこのときに自分の4年後に この写真が使われているとは思ってないんだろうなと思うと変な感じだ。 奥方が来客に「近年のはいつも帽子を被ったりサングラスをしてたりして」 と写真について説明するのをぼんやり聞きながら、 もしも自分が死んだら、とまた考える。 葬式する気なんてないくせに、誰かさんは来てくれるかな、とかね。 にしても戒名って高すぎ。 あれなら自分でも付けられそうに思ってしまう。 空を見たら龍に似た雲が。 あの雲で登っていくのか、と言うくらい不思議とそこだけ竜形の雲だった。
お通夜ってヘンに疲労するのは気のせいかな。 別に泣いたわけでもないのにね(苦笑) 帰り道、なじみの会席者に今度ボンゾにのみにいこうと誘ったり 結構普通にさよならを言いながら帰る自分を冷たいのかななんて思う。 反面、社会人なんだし喪服のちゃんとしたの買ったほうがいいかな、 とか思いながら。
一人で家に帰ったら、塩を撒いてくれる人がいないなと気がついて 510'sに寄ってバーテンダーに塩を撒いてもらう。 も少し呑みたかったし常連にも挨拶したかったがツレにそくされ席を立つ。 明日も仕事だ。 いつもどおりに。 先日思ったのと同じこと、
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