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2007年04月15日(日) ゴーイング・トゥ・ア・タウン


ルーファス・ウェインライト
ニューシングル「Going To A Town」PVお目見え


敬虔に薔薇の花にくちづけるルーファス、絶望にひざまづくルーファス、マクベスの三人の魔女のような喪服の女たち、崩れ落ちていばらの冠をかけられるルーファス…
ルーファスの世界(ザ・ワールド)というか、彼のどっぷりシアトリカルな一面が好きだぁぁぁッッ!というファンにはたまらん演出ですな…ハァハァハァ…
し、しかし欲を言えばもっと装飾はコッテコテの悪趣味でもいいのにな!(それじゃWantシリーズになっちゃうのかもだけど!)コンクリの部屋は意外に似合ってるけど、部屋中にバラの花びら敷きつめてその中で転がりまわったりとかしてもよい…!あとPV監督は誰だか知りませんがジュリアン・ギブスだったらよかったと思います



僕は焼け落ちた街へ行く
恥辱に満ちた街へ行く
打ちひしがれた人びとに会いにいく
アメリカ、きみにはうんざりだよ


まあこんな感じのこの「Going to a Town」でございますが、「焼け落ちた街」というのはハリケーンカトリーナにやられたニューオーリンズを示しているそうで、それに対するブッシュの対応の遅れやらなんやらについての怒りと失望をギュッと詰め込んだ歌のようです。ロマンティックでアンニュイなメロディとはうらはらに、意外にも直球ポリティカル。シングルには暗いんじゃないかしらとも思いましたが(「Between My Legs」がよいのじゃないかと思った)、ルーファス氏はとにかくブッシュがきらいできらいでしょうがないようなので、この曲をシングルにして「アメリカ、きみにはうんざりだよ」というメッセージをあちこちのラジオで流してもらいたかったのかもしれません。

しかしこの曲、そこまで政治的でありながら、どこか悲しいラブソングに聞こえるのはわたくしだけでございましょうか。「きみにはうんざりだよ」と何度も何度も言っているにもかかわらず、不思議なくらい愛を感じます。そもそも愛していなけりゃここまで苦しむこともないんじゃないだろうか。失意と苦痛に満ちた愛。ウーン、重たい。
だから「 I may just never see you again, or might as well」とか「 Tell me, do you really think you go to hell for having loved?」だなんて部分は、政治どうこうで片付けることのできないレベルの暗い感情が奥底でうごめいている気がしてドキドキします!エロス!


▼ついでにジュリアンギブス作品ってこんなの。
どっか気持ちわるいかんじがするのが好きです
>Pet Shop Boys - Numb
>Suede - Positivity
>Deepest Blue - Shooting Star
>Feeder - Just the Way I'm Feeling


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