まあこんな感じのこの「Going to a Town」でございますが、「焼け落ちた街」というのはハリケーンカトリーナにやられたニューオーリンズを示しているそうで、それに対するブッシュの対応の遅れやらなんやらについての怒りと失望をギュッと詰め込んだ歌のようです。ロマンティックでアンニュイなメロディとはうらはらに、意外にも直球ポリティカル。シングルには暗いんじゃないかしらとも思いましたが(「Between My Legs」がよいのじゃないかと思った)、ルーファス氏はとにかくブッシュがきらいできらいでしょうがないようなので、この曲をシングルにして「アメリカ、きみにはうんざりだよ」というメッセージをあちこちのラジオで流してもらいたかったのかもしれません。
しかしこの曲、そこまで政治的でありながら、どこか悲しいラブソングに聞こえるのはわたくしだけでございましょうか。「きみにはうんざりだよ」と何度も何度も言っているにもかかわらず、不思議なくらい愛を感じます。そもそも愛していなけりゃここまで苦しむこともないんじゃないだろうか。失意と苦痛に満ちた愛。ウーン、重たい。 だから「 I may just never see you again, or might as well」とか「 Tell me, do you really think you go to hell for having loved?」だなんて部分は、政治どうこうで片付けることのできないレベルの暗い感情が奥底でうごめいている気がしてドキドキします!エロス!