すず子さんのボヤキ。
モクジ|カコ|ミライ
結局、車の中で何度暗誦しても、
隣ですず太郎がちゃちゃ入れてくるので、
また、そのちゃちゃがスピーチの新たなネタにも
なりそうなヤツだったりしたんで、いつまでたっても
頭の中はまとまらず・・・
「うぅ~・・・。もう、いい!
その場で思いついたこと言う!」
と、投げ出した。
「そうそう、その方がいいよ。緊張感あって。」
・・・すず太郎は気楽なモンだよね。
「・・・で?
昨日、突然オレが殴られた理由は話してくれない訳?」
・・・来たか。
「それはすず太郎が最初に殴ってきたからじゃん。」
「あれぇ?そうだっけ?」
・・・とぼけるなよ。
「じゃぁ、なんで泣いた訳?」
「痛かったし。」
「えぇ~っ!俺が食らったビンタのほうが
よっぽどイタかったと思うけど。」
「だよねぇ~。そのつもりで殴ったもん。
・・・。
ま、その罪悪感っつーか、何つーか・・・」
「あー。。。それでベッドに寝せてくれたんだ。」
「で、何で気づいたらすずこもベッドで寝てたわけさ?」
「だよねぇ・・・」
「・・・オイ、黙るなよ!」
「酔ってたしねぇ・・・」
「酔って乱れてフトンに潜ってくるほど飲んでなかったっしょ?」
乱れてないやい!!!
「・・・。また泣くぞ。」
「あ・・・逃げやがった。」
「うひゃひゃ。」
「まーま、今日はメデタイ日だしね、
すずこもシアワセいっぱいもらってね、
新しい一歩をだね、
踏み出していかないとねぇ」
「察しがいーじゃん。・・・まぁ、そういうことですよ」
「だてにトシ食ってないからねぇ。。。オレ『ら』って」
「・・・ムカつく!」
「すず太郎は新しい出会いはないのぉ?」
「自分のこと棚に上げてオレに聞くわけ・・・。」
「だってさ~なかなか聞く機会もないしさ~」
そんなこともないのだが。。。
このままやられっぱなしは口惜しい。
「出会いはいっぱいあるよ~。
でもさ、付き合うだのケッコンだの、そーゆーのは
今考えてない」
「ふ~ん・・・。なんで?」
「仕事も忙しいし・・・、オレはね、一度は身を固めた訳だし。
今んとこ結婚願望は、ない。」
・・・すず太郎、バツ1です。
「でもさ、仕事忙しくて、それだけで満足なの?
ウチ帰って淋しーなーとか、ないの?」
「ないねぇ。。。商売繁盛でバリバリっすよ。
遊ぶ友達、飲む友達は沢山いるしなぁ。
・・・それより、何、すずこ?
淋しーなーとか、思うようになった?」
「前はねぇ・・・思わんかったけどねぇ・・・」
「あ~。恋しちゃったんだねぇ・・・」
「だねぇ・・・。」
しんみり。
ここでタイミングよく高速を降り、一路、式場へと向かう。
寝坊はしたものの、高速ぶっ飛ばしたおかげで遅刻もせず、
すず太郎のちゃちゃのおかげで、私のスピーチも想像以上のウケをとり、
サツキの結婚式は大満足。
2次会、3次会と続いた後、ごくごく親しい友人たちと
最後はサツキ夫妻のスイートルームで打上げを行い、
大満足の1日でした。
・・・ココロときめくような出会いはなかったけどサ。
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