すず子さんのボヤキ。
モクジ|カコ|ミライ
この際、すずこさんが乙女と言われる歳なのかどうか、 ってのは抜きにして。
お久しぶりです、冴子です。
去年の暮れから、涼野くんを取り巻く状況がいろいろとバタバタした 事もあって、すずこさん、涼野くんとは「いいオトモダチ」ってことで 割り切りはじめてた。
お互い、ガーガー言い合って、楽しければそれでいいや、と。
で、その流れのまま、新年の決意表明やら何やら語り合おう!と、 すずさん、涼野くんにお誘いのメールを出したの。 これまでは、そんなことさえも出来なかったのにね。 すずこさんの「割り切り」って、いったい・・・?
で、メールですずこさんが提案した日は涼野くんに あっさりダメ出しされて。 そのうちやろうよ、って返事が来たんだけど。
その「そのうち」が、ついこの前だったのね。
で、すずこさん、あんな日記を書いた、と。
新年会は2人だけで決行されました。 初めて、2人だけのサシ飲み。
はじめる時間が遅くなりそうだったから、 「ま、朝まででもいいよ」なんて、本気か冗談か 涼野くん、メールで言ってたんだけど。
あーだこーだとおしゃべりしながら、終電間際に、 一度、すずさん涼野くんの時計覗き込んで、 「あ〜、もうこんな時間なんだ」 と言ってみた。
でも、涼野くん、帰るのを促すでもなく、そのまま会話を続ける。 すずこさんも、「ま、いっか。」と、メニューを追加注文。
追加注文しながら、すずこさん、心の中で 「朝までかぁ・・・。先が長いなぁ・・・」と思いつつ。 それでも涼野くんと一緒なんだし、楽しいから いいか、みたいな。
で、2時を過ぎる頃。そろそろ会話のネタも尽きて、マッタリモードになり。
「ふぁ〜〜・・・。」 大あくびの涼野くん。
そして。 「さ、帰りますか」と、涼野くん、席を立つ。
「はいはい」 すずこさんも席を立つ。
この時点で。 すずこさん、考えなくちゃならないことは 山ほどあったはず。
まず、 「電車ナイのよ? ど〜やって帰るの?」とかさ。
・・・でも、こっから先、すずこさん、ほとんど自分の置かれた状況に対して 何も考えてないのね。
どーやって帰るのか、すずこさんの思考回路は全く機能してなかった。
だから、涼野くんがタクシー止めてそのまま乗るように促した時も、 フツーに乗ったの。
で、涼野くんも乗って。 涼野くんは自分の家の最寄り駅を告げる。
駅について、涼野くんがお金を払って降りる。 すずこさんは、お釣りを受け取って、降りる。
で、すずこさん、涼野くんの家にご招待された。
涼野くんがシャワー浴びてる間、すずこさんはボーっとテレビを見て シャワーから出てきた涼野くんは布団を並べて2つ敷いて、 すずさんはおっきなスウェットとトレーナーを借りて、 歯磨きして顔を洗って、 二人並んで寝た。
そう、ただ、寝た。 そのまま朝、涼野くんに 「すずさ〜ん!起きなさ〜い!!!」 と起こされる。
で、帰り支度をして涼野くんと一緒に家を出て、 電車に乗り、途中でお互い、別れた。
自分の家についてから、すずこの思考回路が働き始める。
・・・何、コレ? 何が起こったんだ?? 涼野くんち、泊まってるじゃん?? ってか、何も起こらなかったじゃん??? 何よ〜???
こんな事態になったもんだから、「割り切って」たはずのすずこさん、 やっぱり涼野くんのこと、諦めきれなくなっちゃったわけです。
そして。やっかいな疑問がすずこさんの頭をよぎる。
すずこは涼野くんと一緒にタクシー降りちゃって良かったのか? ホントは、涼野くん、自分だけ降りて、すずこはそのまま家まで タクるもんと思ってたんじゃ??
・・・マヌケじゃ。
ま、頑張れや、すずちゃん。
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