すず子さんのボヤキ。
モクジ|カコ|ミライ
お久しぶりです。 冴子です。
すずこさんが待ちに待った、反省会、それは 突然決行されました。
すずこさんの期待とははずれ、サシではなく・・・ すずこさんの気持ちを知っている「美江さん」、 通称『美江ネエ』も交えて。
そもそも、この『美江ネエ』、反省会を開くハメとなった 涼野くんの「そそう」のマトでもあったわけ。
あまりに『美江ネエ』が涼野くんに対してお怒りだったため、 ここ数日のすずこさんは美江ネエのご機嫌を取りつつ、 涼野くんを励まし、なんとか2人の関係を修復させようと 躍起になってた。
で、反省会。 お怒りモード全開の美江ネエは、涼野くんに対して 辛らつなコメントをしつつも、とりあえずは場の雰囲気を 崩さないように気遣って涼野くんともできるかぎり 普段どおり喋ってた。
で、一方の涼野くんといえば・・・ やっぱり美江ネエに対しての申し訳なさがあるのか、 いつものお喋りは影を潜め、アルコール抜きで終始おとなし目。 一生懸命、弁解してた・・・んだけど、美江ネエの鋭い視線に 間が持たず、どうしてもすずこさんに救いの目で訴えかける。
すずこさんはすずこさんで、涼野くんの凹み具合も知ってたけど、 美江ネエの怒りも十分理解してたから、どちらに味方するともなく 二人の仲介役に徹してた。
ひととおり、美江ネエの涼野くんに対する「そそう」の事情聴取も 終了したころ、美江ネエが話を一転させる。
「で、涼野は麻理のこと、どう思ってるわけ?」 「付き合ってる人はいるの?」 「最近はどうなのよ?」
・・・直球で、新たな攻撃開始。
「そそう」の話題から離れたと一息ついてた涼野くん、 新たな攻撃に態度が固まる。。。
すずこさんも、あまりにストレートな美江ネエの質問に 必死な仲介役から、困った顔で涼野くんの様子を伺う。
「麻理はいい飲み友達ですよ」 「付き合ってる人はいないけど・・・」 「今?ぜっこーちょー♪」
なんとか、美江ネエの直球をかわし続けた。
突然、美江ネエがすずこさんに耳打ち。
「良かったね、付き合ってる人、いないって」
「こんなヤツの、どこがいいの?」
・・・その耳打ちは、耳打ちというにはあまりにも声が漏れてて。 すずこさん、リアクションに困る。
美江ネエ、それじゃ涼野くんに聞こえちゃうじゃん〜!!!
涼野くんは、「美江ネエ、ヒソヒソ話はいけませんよぉ」 と言ってたけど。 聞こえてたんじゃないかなぁ。。。
「さ、すずこ。すずこから涼野に言ってやることは何かないの?」
「いやぁ・・・別に。。。」
「ないのぉ? なら、私が言おうか? 言っちゃっていいのかぁ?」
美江ネエ、矛先をすずこさんに変えちゃったのか??
すずこさん、困ってしまった。 何を言い出すんだ、美江ネエ!
結局、何も言えず、美江ネエをにらみ返してしまうすずこさん。
美江ネエもすずこさんがここでは何も言いたくないとわかったのか、 意味深な笑みを浮かべながら、
「も〜、すずこは。しょーがねーなぁ。 すずこは最近どーなの?」
と別の切り口から攻撃を続ける。
「そーそ、どーなの?すずさん。すずさんの近況は?」 涼野くんも口調を合わせる。
「・・・聞かないでよ。なんもないよ。」
すずこさん、このとき初めて美江ネエを反省会のメンツに 入れてしまったことを後悔する。
・・・あ〜。美江ネエに言っちゃった自分も悪いんだけどさ。 この場でそーゆーふーに話題振らないでよぉ・・・。
フツーに閉店時間が来て、フツーにお開きになって 一人、電車に乗り込んで、すずこさん、ブルーになる。
反省会で、何か新しいきっかけが見つかると思ってたすずこさん。 ひょっとしたら、涼野くんへの気持ちをちゃんと打ち明けられるかも、 と思ってた。 でも、すずさんは人に言わされるのは絶対イヤだった。 涼野くんがすずさんのことなんとも思ってなかったとしても、 それは自分の口でちゃんと自分の気持ちを伝えたうえでなら、 受け入れられると思ってた。
当分これで、自分の口から気持ちを言うチャンスはなくなったな、 と、すずさん、ブルー。
そして、なんともかんとも、妙に振られてしまった気分になって またまたブルー。
ちゃんと、サシで反省会しようよ、って言っとけば良かった。
すずさん、反省会の反省会が必要みたい。
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