すず子さんのボヤキ。
モクジ|カコ|ミライ
冴子さん、どぉもありがとー。 キッカケを作ってくれて。
すずこです。
そのとーりです。 ドつぼにハマリましたよ。。。
あの日、面倒がって泊まらずに、定期受け取ったら とっとと家に帰ってくりゃ良かった。 お喋りなんてせずに。
最初は仕事の愚痴とか、悩みとか、そんなハナシだったけど、 いつの間にか噂話に変わり、誰ちゃんが誰と別れただの、 誰が誰と付き合いだしただの、そんな話に移っていった。
ほとんど彼女・・・麻理が一人で喋ってた。
「SちゃんはH君のこと、今でも忘れられないみたいで・・・。 つらいですよねー。振り向いてもらえないなんて。 でも、早く吹っ切れて新しい人見つけてほしいと思って。」
「・・・。」
今まで、自分からは絶対切り出そうとは思わなかった言葉を 切り出さざるを得なくなる。
「そうだねぇ。。。 自分はどーなのよ?」
「わたしはもう、バレバレですよ。 りょーさんで。別に、もう、隠す気もないし。
でも、りょーさん、こないだも言ってたけど、彼女作る気、 ないみたいだし。。。 ちょっと、ツライですかね。
でも、私もだからって態度変える気もないし。
それにしても・・・
すずさん!
どぉーして今まですずさんは聞いてこないのか、不思議だった〜! みんなに最近聞きまくられてたのに。」
・・・そりゃそーさ。 聞かなくたって彼「涼野くん」への気持ちは、よーくわかってたし。 多分、みんなが気づく、だいぶ前から。
改めて自分で確認するつもりなんて、さらさらなかった。
で、結局、する羽目になって。
確かに、涼野くん、「彼女当分作らない」宣言をしていた。 私も聞いた。
それでも、堂々と自分の気持ちを口にする麻理は私とは正反対。
まるで、それは、一種の「マーキング」みたいで。 「近寄るな!」って。
「自分が好きだって気づく前までは、ただ楽しいだけだったのに、 好きだと自分でわかったら、つらいし、やきもちも焼くし。。。 面倒ですね。」
『ヤキモチ』
これは、きっと私のことかな〜、なんて考えてた。
なんとなく、思い当たるフシがあるんだよね。。。
飲み会のときはいつの間にか涼野くん、 私の横に座って飲み始めたりして。
だいたい、いつもそうだった。
「で、すずさん。 すずさんは、どうなんですかぁ? 本当に好きな人とかいないんですか?」
この前3人で飲んだときは、「いないよぉ」と、答えてた。 そのメンツで言えるか、っつーの!
でも、今ここでそれを言ってしまったら。 「マーキング」された上に、 「手出しはしません」って宣誓しなさい、 みたいな。
「・・・。 ぅう〜ん。。。 いない、かなぁ・・・。」
「え〜っ! ホントにぃ???」
「うん。いないねぇ。マズイよねぇ。いないってのも。」
・・・言っちまった。 宣誓しちゃったョ。。。
私は麻理が涼野くんが好きなことを知りました。 私は今、好きな人は誰もいない、ってことになってます。
でも、私は涼野くんが好きなのサ。 麻理が涼野くんを好きになるずっと前から。
麻理も涼野くんも、ひょっとしたら私の気持ちに 気づいてるかもしれないんだけど、 宣誓した以上、私は行動起こせる状況じゃ、なくなっちまいました。
この1週間、このことが頭をぐるぐる回って、 ため息ばっかりだった。
考えれば考えるほど、涼野くんに言っちまおうか、 と思ったりもしたけど。
周りの状況とか、あれこれ考えると、自分の立場を悪くしそうで・・・。
立場とかそんなこと考えてる自分も嫌なんだけど。
あ〜あ。
寝よ!
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