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2002年01月01日(火)
長距離移動の際には新幹線を使うのが早くて快適だが、アタシが実家に帰る時は、鈍行電車で4時間かけて帰る。
終点まで乗って、乗り換えて、また終点まで乗って、乗り換える。
軽めの本ならこの間に一冊読めるが、ちょっと疲れていたらしく、睡眠にほとんどの時間を費やしてしまった。
確か小田原のあたりで、少女達の声が車内に響いた。 他の乗客は疲れ切っているか、殊に無口で、彼女らだけが明朗で元気だった。
電車は古く騒音が大きくもあったので最初は気づかなかったのだが、ふと電車が停車した時に、その声に音楽性がある事を知った。
中学生くらいの女の子達は、ラップを口ずさんでいた。
アタシはその歌詞に覚えがなかった。 もの珍しい思いに囚われ、軽い、カルチャーショックを覚える。
彼女たちの姿は微笑ましくもあり、懐かしくもあり、そして可愛らしかった。
私はまた、眠りに堕ちた。
起きた時にはもう彼女達の姿はなく、アタシの故郷はすぐそこだった。
暗くなった窓を見ている内に、頭の中でジムノペディが流れ出す。 そのメロディを口に出しかけて、アタシは留まってしまい、僅かに苦笑をこぼした。
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