2002年04月05日(金)
……という文章を何日か前に書き込んだのだけれど、送信中にPCが固まったため脱力して打ち直さずにふて寝しました。
「ORIGINAL BOOK」
割と冗談のような成り行きで作った設定が、私に消化されるうちに、あれよあれよという間に暗いテーマが浮き彫りにされてきた一品です。 元々は、番外編に出てくる「お話」の中に入り込んでしまった想ちゃんの話でした。多重人格ものの、半分どたばたコメディに近かったのでは、と今更ながらに思います。プロットとかはいくらかあったけど、結局書き上げてはいなかったので。 想ちゃんの人格が完全に分かれたいきさつとか、いったん分かれた人格を、どんな意図で統一させようとしたのかとか、そういった設定はその元々の話の中にちゃんとあるのです。 で。 紅浪想、亜都浪……名前の由来は、某時の三姉妹(だっけ?)です。 一番下の想ちゃんにだけエピソードがあるのも何かな、と思った結果、浪姉さん達の話も、現在構想中。ちなみに、ちゃんと三人の名前を作ったはずなのに、どうしても真ん中の子の名前が思い出せず、改めて充て字しました。時間では、元々の「ORIGINAL」が最初、次いで、香月亭に載せられている「ORIGINAL2」と、すぐ上の従姉妹・果城詩子が主人公の「ORIGINAL GAME(仮)」がほぼ同時期で、最後に来るのが亜都浪の「ACCIDENT(仮)」と決まっています。 ところが、詩子さんは三人の中で一番亜都博士の天才ぶりを理解している才媛(?)で、彼女が出てきた結果、はじめの段階では思いも寄らなかった袋小路へとこの全体のエピソードを導かざるを得なくなってしまったのです。つまり、彼女は余計なことにまで気がついてしまう人だったというわけですが((^^; 「ORIGINAL BOOK」は、永遠に救いのない話です。多分、一番、詩子さんにとって。一番幸せなのはむしろ、「なにも知らない」想ちゃんなのかもしれません。あれだけさんざんな目に遭っていたとしても。 亜都歩博士の発明品は、中途半端によく出来過ぎていた、そういうものにしてしまったことが、彼女(=詩子)のジレンマを脱出不可能なものに変えてしまった、ということです。
たとえば「トータル・リコール」たとえば「クリス・クロス」自分が何を信じるべきか見失ってしまう一瞬に、最後のよりどころさえ奪われてしまったら……? バーチャル・リアリティはバーチャルという自覚があるからこそ、そこから抜け出す術を持っているからこそ、楽しめるものだというのに。
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