思いつき日記
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2003年06月29日(日) a cold‐hearted man

昼下がり。
母はソファーで横になり、すやすや寝音を立てている。
父はベッドで昼寝らしい。
私はソファーで読書。何の変哲も無い午後。

ピンポーン(卓球ではない)
ちっ(舌打ちしたかどうかは確かでない)
ガチャ(訝しげな顔で)

そこには、TシャツにGパン、リュックを背中に背負って、手には何かを
携えている女の人が。手に持った何かに身分証明らしきもの。

実直そうな眼差し。控えめな生活態度を匂わす格好。

なんでも、アフリカの教育を充実させる為にコーヒーを買ってくれ!
とのことらしい。

24個入り12000円。
12個入り6000円。
6個入り3000円。

24個入りを買うと70人分1年間教育資金になるらしい。

普通に考えて、あやしい。
本当にその女の人が、何の会社にも属しておらず、中間リベートが発生して
誰かが潤う事が無いのなら、手放しで協力するだろう。
なのに。情に訴えられて、買ってしまいそうな自分がいた。
正確な判断が出来なくなってしまっている自分がいた。
話を聞いてしまってから断るのは難しい…ていうかほとんど私の心の葛藤は
そんなみみっちいこと考えていないで買ってしまえ!に傾いていた。

だから。母親を起こし、断ってもらう事にした。
話を聞いていない母親はむげに断った。取り入る隙を与えず。
っていうか眠いらしい(笑)

自分の事をホントせこいなと思いつつも、これで良かったんだと思った。
これは9割方トラップだと思う。個人で素敵なパッケージに入ったコーヒーを
どうやって手に入れるんだろう。そこには狡猾な何かが取り入っていると
私は感じている。情にほだされながらも、どこか心の隅で引っかかっていた。
でも本当にアフリカに売上の一部は寄付されるとは思うのだけど。

この人の真剣な眼差しがつい情に流されて…
分かった。この人は本気でこれをするとアフリカの人が助かるし…と思って
真摯に取り組んでいるに違いない。オ○ムの信者が何をしているのか疑わずに
真摯に悪事に取り組んでしまったのと同様に。まあ、こっちは悪意はなくて、
金儲けの手段に使われてしまっているだけだけど。

こんな私は冷血人間なのでしょうか?

……

『回転木馬のデッドヒート』読了。

私はだんだん変わってきている気がする。
生きる倫理基準が曖昧になってきた…まずいまずい。


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