思いつき日記
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月は人を惑わせる。
……
ん?うーん。背伸び。二時にふと目が覚めた。 昨日は仕事で疲れ、早く寝たからなぁ。というかいつのまにか寝ていた。
こんなに朝早く誰も起きているはずも無く、静寂と時計の音だけが暗闇の中で うごめいている私の体の周りをヴェールのように包み込んだ。
「パチッ。」リモコンで蛍光灯をつける。目に光の矢が差し込んでくる。 今、寝ぼけ眼だった私の作動スイッチがオンになった。 ムナシイ。何なのだろうこの空虚感は。
黒のジャンパー、黒のジーンズ、黒の靴下。 黒い靴を履いて私は深夜の闇に身をゆだねようと 車のキーを携えて外へ歩き出す。全身黒。背中には十字を背負っている。 堕天使…入り込みすぎ。
「きゅるるる、ヴオォーン。」愛車の心臓に火が入った。 こいつは、私の運転次第で、おとなしく従順な貴婦人にも、 獰猛で雄たけびを上げる荒くれ者にも変身する、よきパートナー。 今日の私はどうやら環境にも車にも自分にも負担をかけそうな勢いである。
「ヴォン。ヴォン。」 脳から発生した衝動が右足へ伝わり、アクセルを踏み込むという行為となって 今、私のパートナーの足が大地を蹴りだす。
午前三時前。肌寒いこの空気を切り裂くように 私とパートナーが漆黒の街並みを滑るように疾走する。
「いける。」今日の私はなぜか落ち着いている。 気分とは裏腹に運転の方はどうやら絶好調のようだ。
車はちょっとしたワインディングロードへ。 激しくゆれるタコメーター(回転計)。パートナーの強心臓も息切れすること なく、正確に素晴らしいリズムを奏でる。
海へ到着。 「ドクン、ドクン。」いささか飛ばしすぎた為、車も私も疲れが見えている ようなのでアイドリングを保ったまま小休憩。 深夜の海には誰もいることなく、私と闇、大いなる大地と母なる海だけである。
海沿いのジョギングロードに腰掛けて、しばし休憩。 目を閉じて耳を澄ませてみた。ササーっと穏やかな波の音。そして私の愛車の声。 今まで混乱していた私の心も落ち着いてきた。やっと状況を飲み込めて、 私のとるべき進むべき道がぼんやりと見えてきたような気がした。
そして、私は自分の中にいた深夜の魔物と格闘して、帰路についたのだった。 もう辺りは明るくなり始めて、輝かしい一日が始まろうとしていた。
……
満月です。なんだか狂ってます。 妙にハイテンションです。
……
面白いホームページ。こんなのあるのですねー。名古屋人かこういうの考えるのは?
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