防護服着た現代アート像 撤去へ(NHK NEWS 2018.08.28)原発事故からの復興への願いを込めて設置された防護服を着た子どもの現代アート像について、福島市は制作した現代美術家のヤノベケンジさんの意見なども聞いて検討した結果、撤去する方針を決めました。 28日午後にも記者会見を開き、発表することにしています。 現代アート像、「サン・チャイルド」は、防護服を着た子どもがヘルメットを外して立ち、遠くを見つめてほほえんでいる高さ6.2メートルの作品で、平成23年に現代美術家のヤノベケンジさんが、震災と原発事故で深刻な被害を受けた福島の復興への願いを込めて制作しました。 制作後、日本の各地で展示されたサン・チャイルドは福島市に寄贈され、先月28日から子育て支援施設「こむこむ館」前に設置されました。しかし、像の設置後、「原発事故のあと、福島市では防護服が必要だったと誤解を招く」などの撤去を求める批判的な意見が市に寄せられていました。 福島市はヤノベケンジさんの意見や、今月17日から実施したアンケートでの市民の意見を検討した結果、現在の設置場所から撤去する方針を決めました。 福島市は木幡市長が28日午後、記者会見を開き、発表することにしています。ヤノベケンジさんはNHKの取材に対して、「不快に思われた福島市民のみなさま、応援してくださった市民のみなさまに、改めておわびを申しあげます。大変残念ではありますが、こむこむ館前に置き続けることで苦しむ市民の方々がおられるならば、展示を取りやめた方がよいという結論に至りました。また、これ以上、市内外の人々を巻き込み、対立が生まれることは避けたいと思いました。展示する場所、時期、方法によって受け取られ方は変わりますので、細心の注意を払うべきでした。今回のことを真摯(しんし)に受け止め、できる限り多くの市民の皆様と対話させていただき、一から精進してまいりたいと思います」というコメントを出しました。防護服姿の子供立像「サン・チャイルド」撤去へ 福島市民アンケート7割が反対 市長「設置は困難」(産経新聞 2018.08.28)黄色い防護服を着て胸には放射線の数値を計る測定器しかもその数値はゼロを示して、そしてヘルメットを外している顔には痣と絆創膏、股間には謎のオブジェが付いている。防護服を着て生活している人なんて事故のあった第一原発近く以外では、震災当初からいなかったのに防護服が必要だったかのような服装。そして、線量がゼロになったからようやくメットを外せるようになったみたいなまるで、福島全体がかなり汚染されていたかのような印象を与えかねず、デザインとして誤解を与える、負のイメージが付いてしまう要素がてんこ盛りで、そこからして、もういろいろダメですよね。像が設置されてからというものこの7年間デマや誤解や誹謗中傷や風評被害などにさらされ続けてきた福島市民からは反発の声が相次いで出ていたので、なんで、こんなのを採用したのかが不思議で仕方がなかったです。復興の象徴とするなら汚染のイメージを強調しなくてもできるはずなのに、県外の私が見ても「これは間違った福島のイメージを国内外に与えるだけでダメだろ」って思いましたもん。まだ、この像が美術館のような見たい人だけが見る場所に展示されているのであれば、不快に感じるからその作品は見ない、見たくないから近づかないという選択肢が選べるので、ここまでにならなかったことが予想されますが、誰でもが眼に触れてしまう公共施設の入り口に設置されてしまったことで、見ないという選択肢を奪ってしまうので、そこが一番の問題なのです。福島に住む人達が「見るのも嫌」と不快を感じるのなら、反発の声に意固地になって置き続けて、さらに苦しめてしまうよりも、撤去する決断ができたのは喜ばしいことなんじゃないでしょうか。(今後、撤去した像がどこへ行くか問題が残っていますが)この像をデザインした美術家の人も自分が生み出したものが人々を苦しめるのは不本意だと思うんですよね。だから展示を止めると決断したので芸術家としての良心がまだちゃんとあったなと思いました。ところで、このサン・チャイルドと昨年の神戸の巨大ツリーは似てると思いました。どちらも実行委員だけが「いいことしてる」と気持ちよくなってるだけで地元民は最初からそんな強引に押し付けられるものは求めてなかったし、不快に思う人の方が多かったところが。防護服を着た子供像「サン・チャイルド」は、なぜ福島で炎上したのか「被災地と現代美術」がもつ複雑な問題 (現代ビジネス 2018.08.25)