女の子を拘束する「呪い」、親が解かねば 駒崎弘樹さん(朝日新聞 2017.02.24)3月8日は国際女性デー。病児保育などを運営するNPO法人「フローレンス」代表の駒崎弘樹さんは「女の子への呪いの言葉に耳を傾けないで」と語ります。春から小学生になる娘(6)が先日、「友達から『女のくせに』と言われた」と教えてくれました。まだ6歳になったばかりなのに。そんな娘に「女だからといってできないことは何もないんだよ」と力説しながら、「呪い」の言葉はこうやって幼いときから女の子をしばりつけていくのかと実感しました。 「女のくせに」など、女性に対するバイアスを押しつける言葉を、僕は「呪い」と呼んでいます。昨年末に放映された人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系列)で、登場人物の女性の1人が、女性への様々なバイアスを「呪い」と表現し、広まった言葉です。 「女子力」という言葉をはじめ、「女の子なんだから勉強はほどほどで」「結婚が幸せ」「子どもが生まれたら良き母親に」。日本の女の子の周りには、たくさんの「呪い」の言葉が転がっています。 子ども向けのテレビ番組もそうです。いつもなぜか女性が補助的な立ち位置にいることが多い。ヒーローものの番組でも、「守る男性」と「守られる女性」というステレオタイプしかない。海外では、性別の固定観念にとらわれないアニメや絵本がたくさんあります。 例えば日本の子どもにも人気のアニメ・絵本シリーズ「おさるのジョージ」。登場する科学者のワイズマン博士は黒人の女性です。このシリーズでは、ほかの登場人物も職業と性別がステレオタイプに陥らないよう、徹底した多様性への配慮が行き届いていて見事です。 ディズニーの「ちいさなプリンセス ソフィア」も、主人公が乗馬に挑戦する際、当初は「女の子には無理」と言われながらも練習に励み、最後に勝つという筋書きがあります。ジェンダーの壁や限界を乗り越えるということが、常々物語の中で繰り返し伝えられている。 日本のメディアはこうした海外の水準から立ち遅れています。メディアで性別役割のイメージが強化され、それが女子力のような言葉と接続されていて、私たちを縛っていると思います。 こうした中で育った女の子は、小さな時から結婚や出産という期待を背負い、子どもが生まれたら仕事を辞めて夫の長時間労働を支え、介護の場面でも同じことが繰り返されていく。人生の節目節目で、女性は常に補助的な役割を求められ、なおかつ、本人の中でも「自分はそうあるべきだ」と内面化すらされている。自ら「呪い」を自分にかけてもいるわけです。 こうした「呪い」から女の子が自由であり続けられるように、少なくとも親はそのたびに、「これは呪いの言葉だよ」と指摘し続けることが必要だと思います。女の子を縛ろうとしている鎖なんて、本当はないんだと言い続けなければいけない。 ましてや女の子だから勉強はほどほどでいい、など、親が呪いの言葉をかけてなにか枠にはめ込むなんてことは、あってはいけないと思っています。それが続けば、おりのかぎはかかっていないのに、自らおりの中にとどまる生き方しかできない。 これは女性だけの問題ではありません。女性が「守られるべき存在」を求められる一方で、男性は「守るべき存在」を求められ、強くて、大黒柱でないといけないというイメージの中で生きづらさにもつながっている。女性を縛るものは、男性を縛るものとコインの裏表の関係だと思います。女性を縛るものを解きほぐしていくことは、ひいては、男性をも解放することになるのです。 こうしたことを踏まえて僕は、「呪いの言葉に耳を貸すな」と、女の子たちに伝えたい。呪いをはく大人の言うことに耳を貸す必要は一切ないのです。自分の娘だけでなく、ほかの女の子たちにもそう言い続けたいと思っています。まあ、同意する部分がある文章なのですが、首をかしげたのはここ。> 子ども向けのテレビ番組もそうです。>いつもなぜか女性が補助的な立ち位置にいることが多い。>ヒーローものの番組でも、「守る男性」と>「守られる女性」というステレオタイプしかない。ウルトラシリーズでは男性さながら銃火器を使い怪獣と戦う防衛チーム所属の女性隊員に戦隊シリーズは変身して戦うヒーロー側に紅一点の女性が一人か二人必ず存在していますし、仮面ライダーシリーズも守られるだけのヒロインなんて存在せず全ての作品共通してライダーと共に自分のできることで敵と戦っていますし、過去にも魔法少女アニメにポワトリンといった女性が戦う主人公の実写特撮ヒロインものに今も人気があるセーラムーンや毎年新作が作られているプリキュアなど戦う女性の作品は数多く存在しているし、今のアニメなんて戦っているのは女性ばかりなので、この人こそ最初から決め付けたステレオタイプで世の中見てんじゃないのと思いました。◆金正男氏殺害 オウム中川死刑囚「あれはVX」発表前に(毎日新聞 2017.02.25)VX襲撃事件関与 獄中から米国の毒物学者に手紙出す 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏(45)の殺害事件で、1990年代に猛毒のVXで殺人事件などを起こしたオウム真理教の元幹部、中川智正死刑囚(54)が、マレーシア警察によるVX検出の発表(24日)前に、正男氏がVXで襲撃された可能性に言及する手紙を獄中から米国の毒物学者に出していた。学者は「彼の経験が事件解明に役立つのではないか」としている。 中川死刑囚は地下鉄サリン事件や教団による3件のVX襲撃事件に関わったとして死刑が確定し、東京拘置所に収監されている。日本の公安関係者などによると、VXで人を襲撃した事件はこれまでオウム教団が起こした事件以外には明確に確認されていない。VX「暗殺用に90年代から製造」…北元高官(読売新聞 2017.02.25)韓国政府は北朝鮮がVXを備蓄しているとみている。 北朝鮮の化学兵器に詳しい脱北者の元高官が24日、本紙に語ったところによると、製造技術や原材料は、1990年代に中央アジアから入手したという。この元高官は「北朝鮮はVXを暗殺用に使用できるように開発していた」とも述べた。 金日成キムイルソン主席が61年に「化学戦能力の確保」を指示し、開発に着手。化学兵器全体の推定保有量は、約2500〜5000トン(2016年版韓国国防白書)に上る。米議会調査局が昨年1月にまとめた報告書によると、化学兵器を合成する生産拠点は国内12か所、貯蔵基地は6か所ある。 北朝鮮は過去に毒針を使って暗殺したことがあると報じられているが、韓国政府関係者は「毒針を使った暗殺は失敗する可能性が高い。確実に殺害するためVXを選んだのではないか」と分析している。> 北朝鮮の化学兵器に詳しい脱北者の元高官が24日、本紙に語ったところによると、>製造技術や原材料は、1990年代に中央アジアから入手したという。オウム真理教が北朝鮮に渡りサリンやVXの製造方法を学んでいたのもこの時期と合致しますよね。共同で研究開発を進めていたのでしょう。化学兵器開発に力を入れているのはアメリカとロシアに次ぐ第3位なのが北朝鮮なのだそうですが、金正男氏暗殺にVXが使用されたと聞いて思ったのが、けっこう大胆で杜撰な対応なのはワザと行って、VXを使って例えば北朝鮮にとって邪魔な存在をこっそりと始末することも俺たちはこれから実行するように決めたと世界に対するアピールする目的として、金正男氏を暗殺したんじゃないだろうかと。大使館ルートを使って持ち込んめば分からないでしょうし。これから世界の要人はこういったことにも注意を向けないといけなくなるんじゃないでしょうか。