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2016年07月27日(水) 相模原市障害者施設殺傷事件報道に思うこと。

<相模原殺傷>強い憤り…障害者団体が声明(毎日新聞 7月27日)

相模原市の障害者施設殺傷事件を受けて、
障害者や家族でつくる団体が相次いで声明を発表した。

知的障害者やその家族でつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」は26日夜、
ホームページで「職員体制の薄い時間帯を突き、
抵抗できない知的障害のある人を狙った計画的かつ凶悪残忍な犯行であり、
到底許すことはできない」と強い憤りを表明した。
その上で「障害のある人一人ひとりの命の重さに思いをはせてほしい」と訴えた。

 また、NPO法人「DPI(障害者インターナショナル)日本会議」も27日に声明を出した。
植松聖容疑者が「障害者なんていなくなればいい」などと供述していると報じられている点に触れ、
「事実だとすると、障害者を『あってはならない存在』とする
優生思想に基づく行為に他ならない」と非難。
「事件にひるむことなく、障害者の生命と尊厳が守られ、
さまざまな権利が行使できるように、活動をよりいっそう強める決意だ」としている。


障害者団体の声明 ネットで賛同の声広がる(NHKニュース 7月27日)

相模原市の障害者施設に刃物を持った男が侵入して入所者などが刺されて死亡した事件を受けて、
知的障害のある人と家族で作る団体は「
どのような障害があっても懸命に生きています」などとする緊急の声明を出しましたが、
この声明は多くの人にネット上で拡散するなど賛同の声が広がっています。

知的障害のある人と家族で作る「全国手をつなぐ育成会連合会」は26日夜、
緊急の声明を出し、事件を徹底的に調査・究明し、再発防止を徹底するよう求めています。
そのうえで「容疑者は、障害のある人の命や尊厳を否定するような供述をしていると伝えられていますが、
どのような障害があっても一人一人は命を大切に、懸命に生きています。
事件で無残にも奪われた一つ一つの命は、かけがえのない存在でした。
お互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会に向けて共に
歩んでいただきますよう心よりお願い申し上げます」と訴えています。
NHKのニュースサイトでは、この声明を伝えたニュースが
インターネットでの拡散状況を示す「ソーシャルランキング」で
一時トップとなり、リツイート件数がおよそ400件に上りました。
中には「犯罪者の理屈をいいと思ってしまった人、それがいいの」などとする書き込みも寄せられました。
ネットでは、ほかにも抵抗できない障害者を狙ったという容疑者の供述に対し、
強く反論する書き込みが相次いでいて、今回の声明には賛同の声が広がっています。


相模原市の障害者施設を襲撃した事件が起きた昨日から

ニュースを見ると気分が滅入るので新聞もほとんど読んでませんし、

テレビニュースはNHKの番組の合間に放送されるような15分ぐらいのニュースしか見ていないのですが、

民報やワイドショーはセンセーショナルに扱っているようですね。

特に気になるのが容疑者が日頃から言っていた

「障害者は社会の役に立たないから要らない」という言葉や、

安倍総理に届けようとしていた手紙に書かれた「障害者安楽死法案」のことなど

何度も何度も詳細に紹介しているようですが、

これに軽度であれ重度であれ先天性であれ後天性であれ

障害者はみんな昨日からなんとも言えない暗い気持ちになっています。

あんなのを何度も報道されて傷つかない障害者はいないでしょう。

大きな事件を起こして自分の思想を拡散させるなんてテロリストそのものだと思いますし、

容疑者の考え方を全国ネットの電波で紹介するそれに加担しているのと同じではないでしょうか。

海外メディアは例えばテロリストのISISでも広報ビデオなどの映像を

流さないという取り決めになっているのですが、

我が国のメディアは視聴率が取れれば注目を集めればいいと紹介して、

画面の向こう側で見ている人のことや影響力を一切考慮していません。

ほかにも自殺報道に関するものでもWHOが決めているガイドラインがあるのですが、

ぜんぜん守っていません。

報道に関してはもう一つ。

<相模原殺傷>神奈川県警、被害者の実名「発表しない」(毎日新聞 7月26日)

相模原市緑区千木良の知的障害者施設「津久井やまゆり園」の殺傷事件。
神奈川県警は26日、事件の被害者の名前を公表しない方針を明らかにした。
殺人などの被害者は公表するのが通例だが、今回の事件について県警は
「(現場の)施設にはさまざまな障害を抱えた方が入所しており、
被害者の家族が公表しないでほしいとの思いを持っている」と理由を説明している。


今月始めに発生したバングラディッシュ・ダッカ 飲食店襲撃テロ事件では

被害者の遺族が氏名などの公表に反対していたので、

政府が会見で性別年齢だけの公表にしていても、

匿名では悲しみの共有が出来ないだの共感が得られないだの

再発防止の観点からだの色々理屈をつけて

遺族の許可も得ず独断で被害者の実名を公表し、

死ねばプライバシーなんて配慮しなくても良いのだと言わんばかりに

生前に利用していたSNSの文章や写真を勝手に使用して人となりを細かく紹介する、

遺族の家に押しかけてインタビューを強行する

配慮もなくプライバシーを無視した身勝手な報道を過熱させますが、

今回は被害者の氏名などが公にされなくとも、

事件の凄惨さやそれに胸を痛めることができているわけで、

けっきょく、共感がどうだのと偉そうなことを言っていますが、

マスコミの自己満足や思い上がりでやっているだけと言うのがよく分かりますね。

朝日新聞記者さんのこのツイートからもその傾向がよく分かります。




今回のことを受けて健常者と障害者の線引きをすることなく配慮を心がけて、

この先も遺族が望んだときだけ報道するようになればいいのですが。













名塚元哉 |←ホームページ