「生活保護費きちんと返したい」河本準一さん(読売新聞 5月25日)お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さん(37)が25日、母親の生活保護受給が批判を浴びていることについて東京都内で記者会見を開き、「自分の考えが甘かった。お世話になった分のお金をきちんとお返ししたい」と釈明し、これまでに受給した保護費の一部を返す意向を示した。 河本さんによると、母親は病気で働けなくなり、14〜15年くらい前に生活保護を受けるようになった。河本さんはその後、芸能人として有名になり収入も増えた。この5、6年間は援助しているが生活費の一部にとどまり、最近まで受給が続いていたといい、この期間の保護費を返すという。 この問題を巡っては、野党議員がブログで「不正受給の疑いがある」と指摘。今月16日には所属会社のよしもとクリエイティブ・エージェンシーが「支給は河本が無名時代に開始されたもの。不正受給のそしりを受けるような違法行為は存在しない」との文書を発表していた。 厚生労働省によると、生活保護の受給申請があった際、申請者の親族には生活援助が可能かどうかを確認する「扶養照会」が行われる。民法では、親子など血縁が近い親族は互いに扶養の義務を負うと規定されているが、照会を受けた親族が扶養を拒否することは可能で、この場合、申請者の生活が困窮し、保護が必要な差し迫った状況にあるかどうかで受給の可否が判断される。問題をすり替えるような発言が目立った会見でしたが、誰も芸人として仕事が無く年収100万円以下の時に生活保護を受けていたことに対しては批判もしていませんし反対していません。河本さんの件で問題となり批判が巻き起こっているのは、 明らかにここ数年で毎日のようにテレビにも出ているほど仕事量も増えて年収が上がって数千万円となっているにも拘らず、「貰えるもんはもろといたらええねん!」と母親と親族に対して生活保護を受けさせ続けていたことで、「芸人は収入が不安定で先行き不透明だから」を理由に不正受給という詐欺をしてよいという話ではありません。確かに、芸能人は収入が不安定で明日どうなるかも分からない不安があるのは解りますが、それを言えば、自分の肉体一つで収入を得るスポーツ選手は、怪我などで引退に追い込まれたり所属チームから解雇されることが常に付きまとっていますし、漫画家やデザイナーや芸術家やミュージシャンのような自分の才能で収入を得る自由業だって、仕事の依頼があれば収入がありますが依頼が無ければ無職と一緒で、人気や実力が無い限り収入が不安定です。言ってしまえば、自営業だって収入が不安定です。安定した収入のある会社員だって、このご時世なら明日はどうなるか分かりません。芸人の年収に触れていますが、その芸人を仕事に選んだのは河本氏自身です。本来、生活保護は「働けない」人のためにあるもので、 バイトなどで他に働けるのに、稼げない仕事に固執する人に生活保護が与えられるということが正当化されるなら、収入の安定しないスポーツ選手や音楽家や芸術家もみんな生活保護が貰えることになります。 数千万円の収入が得られるようになった以上は、いつまでも生活保護に頼らず親を扶養するべきという声が出てくるのは当然ではないでしょうか。また、ワイドショーの『ミヤネ屋』では「不正受給というのとは違う」と河本氏を徹底的に擁護していたという話を聞きました。 しかし、どうしたら毎日のようにテレビ番組に出ているタレントが、 母一人養えなくて行政に生活費を負担して貰えるのかと疑問が湧きます。河本氏は役所と相談して受給が続いたと釈明をしていましたが、 更新時に何かしらの部分をごまかして受給させていたとしか思えず、そこに目を瞑って「不正受給ではない」という擁護は無理があると思います。そして、今回の批判は河本さんに留まらず、詳しくチェックせず支給し続けた怠慢な自治体にも批判の矛先が向けられるべきではないでしょうか。ところで、この件に関してビクビクしているのは吉本興業かもしれません。 吉本があれだけ人権侵害だのなんだのとキレたのも、家庭が貧しい芸人をいっぱい抱えて、その芸人たちに貧乏話をさせて稼いでいる事務所です。その芸人の幾人かが家庭が生活保護を受けていて、その後に売れて仕事が増えても、「浮き沈みが激しい世界だから、貰えるもんはもろといたらええ続けておけっ」て言っていて、これ以上調べられると困るからではないでしょうか。