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2009年06月10日(水) 単純な脳、複雑な「私」

脳科学に関しては、新しい論文が日々生まれていて、

毎回、読むたびに新しい驚きと興奮を得られるのですが、

そんな驚きと興奮が分かりやすく求められた本をご紹介します。

『単純な脳、複雑な「私」』著・池谷裕二 (朝日出版社)

宣伝文句を引用しますと。

『進化しすぎた脳』を超える興奮!
ため息が出るほど巧妙な脳のシステム。
私とは何か。心はなぜ生まれるのか。
高校生とともに脳科学の深海へ一気にダイブ。
「今までで一番好きな作品」と自らが語る感動の講義録。

◆まったく新しい読書のスタイル!
動画特設サイトにリンク

20年前に卒業した母校で、著者が後輩の高校生たちに語る、脳科学の「最前線」。
切れば血の吹き出る新鮮な情報を手に、脳のダイナミズムに挑む。

・手を見れば、理系か文系か判別できる?
・ひらめきは寝て待て
・決断した理由は、脳ではなく、身体が知っている
・「心が痛む」ときは、脳でほんとに痛みを感じている
・進化の過程で、動物のパーツを使い回してヒトが完成した
・「君は30秒後にミスをする」
・僕らにある「自由」は、自由意志ではなく自由否定だ
・ランダムなノイズから生み出される美しい秩序――創発
・遺伝子は生命の「設計図」じゃない!

かつてないほどの知的興奮が沸きあがる、
4つの講義を収録。


こんな感じです。


人間は何か行動に移すとき、

例えば「手を動かす」という行動ひとつとっても、

手を動かそう→準備→手に指令→手が動いた

と思って行動しているじゃないですか。

ところが、ひとつの行動をとるために

脳が活動する時間を計測してみたら意外なことに、

準備→動かそう→動いた→指令 と、

動かそうという意思の前に、

動かす準備が脳で始まって、

指令が最後だったということが分かりました。

脳は、自分の心の中で何か行動を意思して動かそうとする前に、

その行動を起こす為の準備をすでに始めているということで、

この本を読めば、自分は自由意志で動いてるんじゃくて、

脳によって巧みに操られて生きているだけの存在なんだ。

じゃあ、心ってなんだ?とか哲学的ループが心地よくなりますよ。

 


■今日の1曲■
友部正人さんとパスカルズの共演です。
この時期にピッタリの切ない歌なのに、映像と音声がずれてアップされてます。









名塚元哉 |←ホームページ