脳科学に関しては、新しい論文が日々生まれていて、毎回、読むたびに新しい驚きと興奮を得られるのですが、そんな驚きと興奮が分かりやすく求められた本をご紹介します。『単純な脳、複雑な「私」』著・池谷裕二 (朝日出版社)宣伝文句を引用しますと。『進化しすぎた脳』を超える興奮!ため息が出るほど巧妙な脳のシステム。私とは何か。心はなぜ生まれるのか。高校生とともに脳科学の深海へ一気にダイブ。「今までで一番好きな作品」と自らが語る感動の講義録。◆まったく新しい読書のスタイル!動画特設サイトにリンク20年前に卒業した母校で、著者が後輩の高校生たちに語る、脳科学の「最前線」。切れば血の吹き出る新鮮な情報を手に、脳のダイナミズムに挑む。・手を見れば、理系か文系か判別できる?・ひらめきは寝て待て・決断した理由は、脳ではなく、身体が知っている・「心が痛む」ときは、脳でほんとに痛みを感じている・進化の過程で、動物のパーツを使い回してヒトが完成した・「君は30秒後にミスをする」・僕らにある「自由」は、自由意志ではなく自由否定だ・ランダムなノイズから生み出される美しい秩序――創発・遺伝子は生命の「設計図」じゃない!かつてないほどの知的興奮が沸きあがる、4つの講義を収録。 こんな感じです。人間は何か行動に移すとき、例えば「手を動かす」という行動ひとつとっても、手を動かそう→準備→手に指令→手が動いたと思って行動しているじゃないですか。ところが、ひとつの行動をとるために脳が活動する時間を計測してみたら意外なことに、準備→動かそう→動いた→指令 と、動かそうという意思の前に、動かす準備が脳で始まって、指令が最後だったということが分かりました。脳は、自分の心の中で何か行動を意思して動かそうとする前に、その行動を起こす為の準備をすでに始めているということで、この本を読めば、自分は自由意志で動いてるんじゃくて、脳によって巧みに操られて生きているだけの存在なんだ。じゃあ、心ってなんだ?とか哲学的ループが心地よくなりますよ。 ■今日の1曲■友部正人さんとパスカルズの共演です。この時期にピッタリの切ない歌なのに、映像と音声がずれてアップされてます。