1―4月の自殺者、1万1236人 警察庁、年間最悪の恐れも今年1―4月に全国で自殺したのは1万1236人(暫定値)で、前年同期より約500人増えたことが27日、警察庁のまとめで分かった。専門家は「昨年秋からの急激な経済の悪化が影響している。このままでは年間の自殺者数が過去最悪になる恐れもある」と指摘している。 警察庁によると、4月の自殺者数は3027人(暫定値)。うち男性が71%。昨年は4月が2854人(確定値)、1―4月が1万743人(同)だった。今年は4月まですべての月で昨年を上回っている。1―4月の都道府県別では東京の1019人が最多。埼玉や千葉などの増加が目立つ。 年間の自殺者数は昨年まで11年連続で3万人を超えている。統計を取り始めた1978年以降で最悪だったのは2003年の3万4000人余り。(日経新聞 5月27日 22:42) -----------------------------(引用終了)----------------------------先月、NHKスペシャルの介護保険特集を家族で見ていたときのこと、『NHKスペシャル 介護保険が「使えない」〜10年目の検証〜』充分なサービスが受けられない介護保険の実態と、この先のさらなる状況悪化を垣間見て、母が「長生きするだけ損やなこの国は。早く死ぬに限る。」姉が「今のお年寄りでも、これだけ困難な事態になっているのをみれば、 私たちが老人になる頃は、どうなってるんやろう。 金持ち以外は、さっさと死ねってことか。」と気になる感想をもらしていました。精神的に不安定でない、経済的に困窮していないいわゆる中流家庭の人間でも、こんな暗い感想を持ってしまうのですから、先の見えない不況のニュースや、老人介護や福祉制度の悪化など暗い特集は、精神的、経済的、肉体的に困難な状況にある人にとって、リアリティーのある現実として、より深く心理的に与える影響は強く、例えば、精神的不安定な鬱病の人や、慢性の病気に悩む人、お年寄りの介護に疲れている人や、経済的に困窮している人といったような、悩みを抱えたり心が敏感すぎる人であればあるほど、暗いニュースや特集などを見てしまうと、この先のことを考えると希望はなく、生きていても不安やつらいことしかないのかもしれないと、自殺を選んでしまうということは有り得るのではないでしょうか。村上 龍さんの小説『希望の国のエクソダス』(文春文庫)に、80万人規模の集団不登校を指導した中学生が国会で宣言した、「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。 だが、希望だけがない。」このセリフのように、今の不安なことが多く希望がなかなかイメージできないようなネガティブな情報しかない日本では、自殺者を減らすどころか、自殺を選ぶ人が増えてしまうのも当然のことのように思えてなりません。【ニコニコ動画】たま ムーンリバー