朝日新聞朝刊で連載の記事『「みる・きく・はなす」はいま 〜虚の時代2 サクラ横行 偽りの人気〜』朝日新聞が社会の嘘をテーマにしているのは、捏造などなんでもありの「お前が言うな」という感じですが、今日の内容は興味深かったので、ご紹介します。昨年末、マクドナルドの新商品発売時に長蛇の列ができ、メディアが取り上げましたが、実は並んでいる人の100人ほどがアルバイトのサクラだったということが、後になって発覚したということがありました。このようなことは、かなり横行していて、記事に紹介されているケースとして、秋葉原で売り出し中のアイドルの写真撮影イベントに男性中心に約30人が集まったが、そのうち20人がイベント盛り上げ役のサクラで、売り出し中のアイドルはそのことを知らず、笑顔を振りまいていたそうです。このようなイベント会場や音楽やお笑いライブの盛り上げ役の他にも、お店の新装開店や新商品発売のときに並んで他の客を寄せたり、メディアに紹介されさらに認知度を上げる為のサクラを派遣する会社が存在するそうです。そういった方法以外にも、企業からの依頼で、ネットの商品比較サイトに一般消費者を装って依頼を受けた企業の商品を褒める「口コミ」を請け負う会社もあり、男性オペレーターが女性向けの商品を褒める文章を数10件書くこともあるそうです。広告として悟らせないこうした手法は「ステルス(見えない)メーケティング」と呼ばれているそうで、まあ、こういうことはあるんだろうなぁと思っていましたが、こういう手法の中でも驚いたのが、芸能人のブログで商品を取り上げてもらうサービスを仲介する会社です。その会社にはタレントやモデル約100人が登録し、企業の注文に応じて「最近は○○がお気に入りです」などと書いてもらい、依頼によって商品をブログで紹介した芸能人には、その人の人気に応じて謝礼として300万〜90万円が支払われるそうです。この会社の幹部は「“芸能人御用達”という言葉に消費者は弱い」と語っています。確かに、ブログに限らずテレビでも芸能人が何か商品を紹介すると、売り上げが伸びるということはよくある事なので、企業が宣伝方法として使わない手はないと思いますが、こういうことを知ってしまうと、これから先、芸能人が何かを薦めているのを見ると、これも依頼されてのものなのかなぁと疑いの目で見てしまいそうです。そういえば、5年ほど前に流行ったらしい「韓流」は、まず電通やテレビや雑誌など大手既成メディアの結託によって巧みに作り出したステルスマーケティングであったことは確かですが、2年ほど前に『ビリーズブートキャンプ』なるものが、急に降って湧いたようにテレビ番組や芸能人やモデルが紹介しまくっていて、本家アメリカで日本より数年前にブームになり終わったものが、日本で急に流行っていることに疑問を感じていましたが、あれも流行を作り出そうとしたステルスマーケティングによるものだったのでしょうか。