生活危機:「面接に行く交通費ない」 派遣村から移動の失業者、厚労省に支援要請東京・日比谷公園にあった「年越し派遣村」から都内4カ所の施設に移った労働者らは6日、厚生労働省に対し、就職や住居を探すための活動費の支援を申し入れた。施設での相談活動が始まったが、面接に向かう交通費がないことなどから自立への活動が進まないため。厚労省は何らかの形で必要な資金を提供することを約束した。 要望には、労働者と派遣村実行委員会メンバーの計約100人が参加した。生活保護を申請してアパートを借りようとした男性は、判子と住民票があれば借りられるところだったが、判子購入や住民票取得の費用がなく、申し込みができなかった。別の男性は職業相談で面接が決まっても、交通費がなく断念した現状を説明、「一日も早く仕事を決め自立したい」と話した。 すぐに施設から出られる労働者が少ない中、入居期限が12日に迫っていることから、中長期的な利用が可能な施設の提供も求めた。村長を務める湯浅誠さんは「給付、貸し付けにこだわらない。今の生活を抜け出すために求めている」と説明した。(毎日新聞 2009年1月7日)生活保護申請者らに交通費1万円を貸し付け 厚労省「年越し派遣村」で年末年始を過ごした失業者が都内の4施設で生活している問題で、厚生労働省は7日、生活保護を申請している人を対象に、生活保護費が入金されるまでの交通費などとして、現金1万円を同日中に貸し付けることを決めた。 一時的に生活維持が困難になった人を対象に支給されている社会福祉協議会の緊急小口資金貸付を特例適用したもので、通常必要な身分証明書の提示などは求めない。東京都社会福祉協議会が同日、4施設に出張し希望者に現金を手渡す。生活保護費についても、今週中に支給できるよう手続きを進めているという。 生活保護申請をしていない人も、同貸付を利用することで5万円を借りることができる。 厚労省はこれまで、ハローワークなどで就職支援を行っていたが、面接会場への交通費がない人も多く、6日夜に交通費や通信費の支給を求め、派遣村の実行委員会らが厚労省に要望を行っていた。(産経新聞 2009.1.7 11:43)-----------------------------(引用終了)----------------------------4日の日記でも書きましたが、派遣村に集まった失業者と、全国の失業者と、ネットカフェに寝泊りする日雇い派遣業の人々と、ホームレス生活から抜け出したく、『ビッグイシュー』を売って生活するホームレスの人々と、行政による支援の差が開きすぎているのは、なぜなんでしょうか。派遣村に集まった失業者の他にも、突然に派遣を解雇された人は全国に多く存在していて、真面目に貯めた貯蓄を取崩して、支援を得ることなく、必死に次の職を探している人々も居るというのに、派遣村に辿り着いた人だけは、スピーディーな支援を受けているという、このような不平等感に疑問を抱かず、派遣村で要望のほとんどが通り、希望通りの支援をしてもらえることになった人々に対して、派遣村を扱ったブログを見ていても、もう一方の置き去りにされている人々のことに思いを馳せず、「支援が受けれて良かったですね。」なんて、単純な感想しかもてない人が多いことが、私は不思議でなりません。ところで、派遣村に関してのニュースでは、派遣村に集まった元派遣社員だった人たちへの取材から、判子すらないとか、一円もお金が残っていないとか、交通費が欲しいとか、ここまで悲惨な状態に陥った人々として伝えたいがために、極端なものばかり選んで記事しているのか、そのような、どうしようもない人々しか集まっていないのかは分かりませんが、そもそも失業者を集めたのは派遣村を作った支援者なのですから、なんでも行政に出費させようとせず、交通費ぐらい集めたカンパから出せばいいのにとは思います。生活危機:「年越し派遣村」撤収 再出発を目指す失業者「今日からが勝負」実行委員会によると、5日も早朝から派遣村撤収の手伝いに100人を超えるボランティアが参加した。現場に寄せられた現金のカンパは5日までに2315万円に上った。(毎日新聞 2009年1月5日)ところで、社民党が関連施設の開放を検討しただけで終ったのも、共産党が動かなかったのも、施設に居座られて出て行こうとしなかったり、開放の期限を作って施設から締め出せば、「弱者に優しくないのか!」と批判されることは明白ですし、集まった人々からは、このように次々に要求されることが、目に見えていたからではないでしょうか。自分たちはほとんど動かずに、高みから「政府の責任だ何とかしろ!」と口だけ出しているだけのほうが、ある意味、利口なのかもしれません。