6病院で受け入れ拒否…1時間20分後、交通事故の女性死亡福島県矢祭町小田川の国道で17日夕、軽ワゴン車にはねられ救急搬送された同町の女性(79)の受け入れ先病院が決まらず、治療開始まで事故から約1時間20分かかっていたことが18日分かった。女性は病院搬送後、まもなく死亡が確認された。 白河市消防本部などによると、女性が事故にあったのは17日午後6時20分ごろ。すぐに救急搬送されたが、「治療できる医師がいない」「別の手術中」などの理由で計6病院に計7回、受け入れを拒否されたという。女性は同日午後7時40分ごろ、約60キロ離れた同県須賀川市内の病院に搬送されたが、まもなく死亡が確認された。 同消防本部は「事故直後すでに女性は心肺停止状態で、すぐに病院に搬送されても助かるのは難しい状態だった」としている。(産経新聞 12月18日16時48分)-----------------------------(引用終了)----------------------------このようなことが起きるたび、いつも、大手既成メディアが使う「たらい回し」や「受け入れ拒否」という表現に違和感を覚えます。誰も好き好んで患者を放置しているわけではなく、本来であれば受け入れることが可能であっても、その時は、病院のベッドが空いていなかったり、当直医が専門とする分野ではない、手術などで医師の手が空いていないなど、さまざまな事情があり、患者を受け入れられない、いわば「受け入れ不能」の状況になって、止むを得ず断っているだけです。「たらい回し」や「受け入れ拒否」という表現では、その時、受け入れ不能な状況に置かれていた病院側や医師を悪く見せてしまうだけで、フェアな報道の仕方ではないと感じます。ですから、正しく「受け入れ不能状況だった」と表現するべきではないでしょうか。しかも、「たらい回し」や「受け入れ拒否」という表現だけでは、病院側が献身的な努力を実行すれば、受け入れ不能は改善できるという楽観的な印象を視聴者に与えてしまいます。本来、こういう状況を改善するには、「また受け入れ拒否です」といった論調で、病院側を攻めるのではなく、救急医療体制のある病院を増やす、医師を増やす、ベッド数を増やす、医療費の問題など、根本的な解決策を政府に求めていくことこそ大手既成メディアが進んでやるべき報道ではないでしょうか。