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2008年08月20日(水) 京都妖怪紀行で不思議巡り

京都へは阪急電車を利用し河原町で下車。

まずは朝食を兼ねて、鍵善良房で「葛きり」を食べました。


葛きりはここでしか食べれませんからね。


朝早くとあって、さすがに空いてました。

で、バスでJR京都駅へ移動して、

鬼太郎とアトムのコラボレーションイベント

「KITARO×ATOM」を見てきました。(昨日の日記参照)


それを見たあとは、この新書をもとに、



不思議めぐりを兼ねて京都観光に。

まず行願寺(革堂)にて八月二十日前後に行われる絵馬供養のとき、

革堂の宝物館で公開される幽霊絵馬を見に行こうと思い立ちました。

幽霊絵馬が奉納された経緯は、幽霊絵馬の悲話をご覧ください。

本書によると公開は二十日前後ということなので、

一日前の19日でも公開されているのだろうかと、

電話にて問い合わせたところ「まだです。」と言われたので、

予定を変更して御辰狐の祀られた御辰稲荷神社へ行ってみました。



「京の風流狐は碁の好きな宗旦狐と琴の上手な御辰狐」という歌にある

御辰狐が祀られている神社です。

お狐様がいっぱいです。


宝永年間、東山天皇の側室・新崇賢門院の夢の中に、
白狐が現れ、「禁裏御所の辰(東南)の方角に森があるから、
そこに私をまつっておくれ。夢、夢、疑うことなかれ」と、
お告げを残して消えてしまった。

翌朝m新崇賢門院がお告げのある場所を尋ねると森があった。

人に知られた聖護院の森である。

これも何かの縁と小祠をたてた。

狐のお告げが辰の方角であったので、ほこらを「御辰稲荷」と呼んだ。

江戸時代にはいって隆盛、御辰の“辰”は達成の“達”に通じると、

芸能上達や願望成就に人々の信仰を集め今に至ります。

私もデザインカプチーノも芸の一つと、

リーフのラテアートがもっと上手くできますようにと参ってきました(笑)

「神頼みより“努力”をしなさい」という声が聞こえてきたような。

次に訪れたのは「白蔵主」の屏風がある龍源院。

大徳寺の塔頭のひとつ龍源院は、

見事な石庭のある寺院として有名です。

16時ごろにお伺いしたので、

風が涼しく心地よく、しばらく石庭を見ながら、

ぼ〜っと疲れを癒していました。


ここに来た目的は、石庭よりも「白蔵主」の屏風を見るためだったので、

重い腰を上げ、「白蔵主」の屏風がある書院の間へ行く途中、

迫力のある龍が描かれたすばらしい襖絵に見とれつつ、


書院の間に「白蔵主」の屏風が展示されていました。


『京都妖怪紀行』より抜粋。
明治時代に活躍した京都画壇の重鎮・鈴木松年なる日本画家の作で、
大阪の少林寺に伝わる白蔵主(はくぞうす)の伝説を題材に描いたものという。
喜多村 筠庭(きたむら いんてい)の
『嬉遊笑覧』(きゆうしょうらん)などによれば、
永徳年間、堺の少林寺に塔頭に耕雲庵に白蔵主という住職がいて、
鎮守の稲荷神社に参籠して片足を失った狐を得た。
住職が狐を可愛がって飼っていると、狐は賊を追い払い、
吉凶を告げるようになった。
狂言の「釣狐」は、この逸話をもとに作られた。
「釣狐」は、狐が僧に化けて狐狩りをする猟師に
殺生をやめろと説得する内容で、この屏風もそれより材に得ている。


この屏風は、もともと大阪の某家が所蔵していたモノなのですが、

訳あって昭和35年の5月に龍源院へ寄進されました。

その理由というのが実に不思議な話で、

その持ち主の家庭に不幸が続くので行者に見てもらったところ、

「あなたの家に狐の掛け軸か屏風があり、
 その狐は修行中の身で、まだ修行をしたいと願っている。
 もし、狐の絵があるなら一刻も早く何処かの寺に納めなさい」と言われたそうです。

確かに、この家には白蔵主が描かれた屏風があったのです。

しかし、この持ち主は納める寺といっても皆目見当がつかず、

再度、行者に尋ねると、
「大阪より北の方角、京都に狐さんが望む寺があるかもしれない」というので、

行者とともに京都へやってきたのです。

あちこちの寺を回り、大徳寺に来て龍源院の門前まで来ると、

突然、持ち主の足が動かなくなってしまったのです。

そこで、この狐が望む寺はここに違いないと、

住職にことの経緯を話、寄進を申し出たところ、

住職も突然のことに驚き、そして因縁を感じたそうです。

というのも、龍源院は狐と縁があるところで、

狐窟(こくつ)の間という書院(僧侶の私室)が存在したのです。

住職は快く受け入れを承諾し、

それ以来、寄進した持ち主は何事もなく平穏に暮らしているという話です。

白蔵主の屏風は、狐窟(こくつ)の間で常時一般公開されています。

知的なお顔をされています。


京都は一日フリーパスのバス券さえあれば、

妖怪や幽霊などの名所を多く回ることが出来ます。

興味がある方は、一般にあまり知られていない伝説や

妖怪伝承スポットを地図つきで紹介している『京都妖怪紀行』を持って、

いつもと違った京都観光を楽しむのも乙ではないでしょうか。







名塚元哉 |←ホームページ