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2008年06月13日(金) 「拉致事件の再調査を表明」は進展か?

北朝鮮、よど号犯引き渡しと拉致事件の再調査を表明

高村正彦外相は13日午後、福田康夫首相と会談後、
日本と北朝鮮との協議について
「北朝鮮は『よど号犯の引き渡しに協力する』と回答した」と述べた。
また、日本人拉致事件については「北朝鮮は拉致問題解決に向けて調査する。
解決したとは言わないということだった」と明らかにした。

 これにともない、高村正彦外相は北朝鮮に対する経済制裁の一部を
解除する考えを示した。解除される制裁措置は、
人道的物資輸送に限って北朝鮮船舶の入港禁止、及び、
日朝間の人的往来の2点。

 午後4時すぎから記者会見した町村信孝官房長官は、
北朝鮮側が「拉致問題解決に向けた具体的な行動をとるための約束をした」と述べた。
そのうえで、こうした一連の北朝鮮側の意思表明について
「拉致問題は解決済みとの立場を変更した」と述べて「一定の前進」と評価。
船舶の入港禁止に加え、航空機によるチャーター便の乗り入れについても
規制を解除する考えを示した。

(産経新聞 6月13日16時7分)




ほかソース:
「北」はカードを切ったのか? 日朝交渉進展を示唆

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町村官房長官が定例会見で「進展」という表現を使っていましたが、

北朝鮮側の態度が変わったことを「進展」としたことに違和感を感じました。

これまで幾度も「解決済み」や、

「他の拉致被害者は居ない」と主張していたことを考えれば、

「解決済み」を取り下げたことは振り出しに戻っただけにすぎません。

誰を拉致してきて、

何処の場所にかくまっているのかなどは、

再調査などしなくても北朝鮮側は分かっているのですから、

すんなり帰そうと思えば、拉致被害者を帰国させることはできます。

また、これまでも北朝鮮は「再調査」を実行し、

「横田さん等はやっぱり死んでいた、他に拉致した人も居ない」

なんて再調査のたびに繰り返してきたのですから、

今回、態度を変えて再調査すると宣言しましたが、

その実効性は不透明で、

「横田さん等はやっぱり死んでいた、他に拉致した人も居ない」

と再び言われる可能性だってゼロではありません。

結果を見るまでは「進展」とさえ言えないのではないでしょうか。

 それに、よど号犯なんて、

米国としては、よど号犯をかくまっている事も、

テロ支援指定国家リストに入ってる理由としているのですから、

もはや無駄飯食いなだけの邪魔な存在であるよど号犯の引渡しは、

テロ支援国家の解除をしてほしい北朝鮮にとっては、

好都合でしかないのに、

それなのに、先に制裁カードの一部を手放すことを表明するなんて・・・。


「拉致再調査」「よど号犯引渡し」北朝鮮が約束 官房長官明かす

(一部抜粋)
政府は、今回の協議で約束したことを北朝鮮が誠実に実行に移すかどうか
慎重に見極めた上で、制裁解除の時期や手順などについて判断する。

 ただ、北朝鮮の核問題に関する6カ国協議の枠組みで進められている
重油などのエネルギー協力については、「現時点でただちに協力に参加する環境が整ったといえる進展ではない」(同)として、見送った。


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よど号犯の引渡しのみで、

制裁解除に踏み切ることだけは止めてほしいものですが・・・。









名塚元哉 |←ホームページ