中塚圭子氏 著『犬の老いじたく』(角川SSC新書)を読みました。神戸市で家庭犬のしつけ教室を営んでいた著者が、自分が飼っていた犬や、生徒であった犬が老犬となったときに、年老いたことで表れた病気や認知症などによる介護を体験したり、生徒の飼い主さんから体験談を聞いていく中で、犬が年老いてから飼い主はどのように対処すればいいのかを考え、犬の老化予防や対策を学ぶ「老犬教室」を開校し、長年の経験を踏まえて、犬の老化はどのように始まるのか、犬の老いで表れる病気や症状などに、どのように対応すればよいのか、老化による筋力の低下を補うトレーニングや認知症予防トレーニング、トイレなどのトレーニングなどが写真などを交えて、分かりやすく書かれています。 当然のことですが、人間と同じように、犬(そのほかの生き物すべて)も老化します。現在は、犬は室内で飼うことが一般化されたことや、大型犬ブームから10余年経過したことに加え、動物医療、医薬品、フードも格段に進歩し、昔と比べて犬の寿命も2倍近くに延びたことにより、昔なら、ほとんどなかった犬の衰えによるさまざまな病気が増えたこと、そして、犬の老化はスピードが早く、飼い主が戸惑っている間にもどんどん老いていく事による飼い主の心理的負担、老犬の期間が長いことによる介護問題が表面化してくる時代となりました。犬は7歳からがシニア世代と言われています。2003年6月に我が家にやって来たトーイくん(アメリカン・コッカー・スパニエル ♂)は、今月の9日に5歳の誕生日を迎えました。2年後にはシニア世代の仲間入りです。これまでの人生においても、犬は飼ってきて、老いや最期を看取ってきましたが、老い方も最後の迎え方もそれぞれまったく違いました。トーイくんは、どのようの老いていくのかは分かりませんが、できるだけ心地よく歳を取っていけるように、この家に来て良かったと思ってくれるように、飼い主として精一杯取り組んでいきたいです。犬を飼うことは最後まで責任を持って世話をするということ。最近は、長年飼っていた犬が年老いたことで、世話が面倒になり捨てられると言う痛ましいことが増えています。そういった不幸なことがないよう、犬を飼っている人が、自分と犬がよりよい一生を過ごせるよう、現在、若い犬を飼っている人も、老犬の世話をしている人も、犬を飼っている人なら読んでおく価値が有る一冊なのではないでしょうか。老犬介護関連