「ウイグルの母」が来月8日に初来日=ダライ・ラマも同時期に、中国反発も「ウイグルの母」と呼ばれる在米ウイグル人の人権活動家で、ノーベル平和賞候補として近年名前が挙がっているラビア・カーディルさんが11月8日、初めて来日する。人権団体のアムネスティ・インターナショナル日本が招請したもので、同月10日から25日にかけて全国各地で講演を行う。 11月には、インドに亡命しているチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世も日本を訪れ、横浜での講演(20日)などを予定。中国で反体制派と見なされている少数民族の在外著名人が同時期に訪日することで、中国政府の反発も予想される。 アムネスティによると、カーディルさんは東京、兵庫、岡山、大阪、北海道、新潟などの各都道府県で講演する。 カーディルさんは中国西部の新疆ウイグル自治区出身。人権擁護活動が原因で1999年に拘束された後、投獄されたが、2005年に仮釈放されて渡米した。今年6月には、ブッシュ米大統領が訪問先のチェコで面会に応じている。(時事通信社 2007/10/27-16:33 )-----------------------------(引用終了)---------------------------->中国政府の反発も予想される。わざわざ、この一文を加えなくてもいいのではないでしょうか。勝手に反発をさせておけばいいのですから。 来月八日に来日するラビア・カーディルさんについては、チベットのダライ・ラマさんとは違い、知っている人はまだまだ少ないのではないでしょうか。今月に文藝春秋社から発売された新書『中国を追われたウイグル人 亡命者が語る政治弾圧』(著・水谷尚子)を読めば、ラビア・カーディルさんが、中国十大富豪からウイグル人のために人権運動を行ったことで、政治犯として投獄されたのちに、欧米の人権団体の力でアメリカに亡命し、本格的に東トルキスタン独立運動に携わるようになり、ウイグルのダライ・ラマのような象徴となった経緯などが、詳しく分かると思います。この新書では、武力による反政府闘争に関わった者以外で、命がけで亡命し平和的に独立運動に携わっている亡命者から聞き出した、ウイグルで行われている中国共産党による血も凍る拷問と拷問や虐殺の数々や、国内外で荒れくるう中国の少数民族弾圧の悪夢のような実態の告発、また、1964年から96年までほぼ毎年、中国の核実験場にされたウイグル自治区の、その核実験による後遺症を告発した医師などからのインタビューが書かれており読み応えがあります。ちなみに筆者は、ウイグル問題について、特に日本の保守派が関心を抱いていることについては理解を寄せますが、その関心のほとんどが、民族問題の政治や歴史的背景を知らずに、中国叩きの材料として扱われていることに懸念を感じているのだそうです。確かに、ウイグル問題に限らず、日本で人権問題についての重要性を表現したり、理解を得て運動に展開する場合、私自身がそうであるように、どうしても個人の思想的・政治的部分や、反日的、反米的、反中的というように、個人間の好き嫌いの感情も大いに加わり、そして、両者の思想の違いが交わることなく、対立したまま人権運動が展開されることがほとんどなので、一丸となって客観的な人権運動を展開することの難しさを感じることが多いです。