<久間防衛相辞任>原爆投下「しょうがない」発言で引責久間章生防衛相は3日午後、首相官邸を訪れて安倍晋三首相と会談し、米国による広島、長崎への原爆投下を「しょうがない」と発言したことについて、「この問題について皆さん方の理解を得られていないようなので、けじめをつけなければいけないので、私自身が辞任する」と述べ、責任を取って閣僚を辞任する意向を伝え、首相も了承した。久間防衛相は記者団に「長崎の皆さんに『しょうがない』という言葉で迷惑を掛けました。参院選挙への影響を考えて決断した」と語った。参院選を控え、安倍政権への大きな打撃になる。 久間防衛相は30日、千葉県柏市での講演で、太平洋戦争終結時に米国が広島、長崎に原爆を投下したことについて「米国はソ連が日本を占領しないよう原爆を落とした。無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったという頭の整理で、今しょうがないなと思っている」と述べ、原爆投下を容認したと受け取れる発言をした。 野党からの罷免要求に対し、安倍首相は久間防衛相をかばい、久間氏も辞任を否定していたが、3日の閣議後の記者会見で、閣僚からも批判が相次いだ。また、公明党の浜四津敏子代表代行は同日午前、国会内で記者団に「柳沢伯夫厚生労働相の『産む機械』発言とは質的に違う重大な発言だ。ご自分で身を処し方を賢明に判断して頂きたい」と述べ、自発的な辞任を促した。 久間防衛相は同日午前、公明党幹部たちに会って発言について釈明する予定だったが、直前に公明党が「党内論議がまとまっていない」(斉藤鉄夫政調会長)と面会を断ったため、中止した。 こうした情勢から、辞任は避けられないと判断したとみられる。 安倍首相に辞任の意思を伝え、官邸から出てきた久間防衛相は記者団に対し「発言で迷惑をかけた。発言の理解を得られておらず、けじめをつけないといけないと思い、総理に申し上げた。総理は『そうですか』ということで、その決定を受け止めてもらった」と話した。 昨年9月に発足した安倍内閣での閣僚の辞任は、昨年12月に事務所費の不透明な処理をめぐって辞任した佐田玄一郎前行政改革担当相以来。また5月28日には松岡利勝前農相が自殺しており、閣僚の交代としては3人目となる。安倍首相は久間防衛相との会談で「非常に残念ですが、そうですか。その決意を受け止めます」と述べた。 (毎日新聞 7月3日14時55分)-----------------------------(引用終了)----------------------------確かに歴史の側面を見れば、「原爆によって戦争が終結した」と分析することもできますが、そのような分析は歴史家や学者なりがするべきであって、防衛大臣たる職責にあるものが、国際法違反の民間人の大量虐殺や自国の大損害に対して、「しょうがなかった」などとは仮に思っていたとしても、立場上口に出してはいけません。「しょうがない」は全てを受け入れる意味ですから、アメリカによるルール違反の民間人大量虐殺を肯定するのと同じこと。これは、どちらの思想の人からも批判されてしまうのは当然で、後になって、皆さんが思っている「しょうがない」の解釈と意味が違うなどと、どう釈明しようが、最初に報道された「原爆投下しょうがない」という言葉のイメージとインパクトの大きさには敵いませんから、「しょうがない」発言のイメージを和らげさせることは難しいので、どのように取り繕ってみても後の祭りです。久間氏にしてみれば「言っちゃったものはしょうがない」という心境なのでしょうけど。 これまでにも、この久間氏は問題発言を連発していたので、大臣には向いていなかったのではないかと思います。(まぁ結果論ですが。)参院選前にメディアや野党に恰好の材料を与えてしまう軽率な問題発言、そして、安倍首相も毎日コロコロと言うことが変ってしまっているので、今回も悪い印象を国民に与えてしまったことには間違いありません。安倍首相は、世論や先を読み解く能力に欠けているのではないでしょうか。 もう一方、先日のTV番組『太田総理』で、少年事件によって子供を亡くされた遺族に向かって、「加害者にも事情がある」だのと言った民主党の平岡議員は、自身のHPで謝罪しました。7月2日 「太田光総理」番組に関して謝罪文要約。1.謝罪が遅れたのは番組での発言内容の確認などに時間がかかったため。2.ネット上では私の発言が誤って表現されているところもあります。3.バラエティー番組で気が緩んでいた。動画ソース※ニコニコ動画は無料の会員登録が必要です。【ニコニコ動画】太田総理「少年法廃止します」※問題の箇所だけ抜き出しバージョン【ニコニコ動画】平岡秀夫「悪いことをした子供たちはそれなりの事情があって・・・」太田総理「少年法を廃止します」(前半)太田総理「少年法を廃止します」(後半)まず、平岡議員の謝罪文は、謝罪というより言い訳に終始しているように思え、こちらも返って火に油を注ぎかねない謝罪文となっています。 久間氏の発言にしてもそうですが、軽率というか、政治家として言葉のセンスや、本音や思いつきで話している分、これを言ったらどうなるかという配慮が足りなさすぎで、国会議員としての自覚が足りないというよりも、人間としての資質の問題ではないでしょうか。