昨年、中国産割り箸の対日輸出2008年にも停止されるというニュースを拙日記で取り上げた時、「割り箸ぐらいでは森林破壊はされない。」「日本製の割り箸は間伐材で作られており、 林業を営む人の貴重な収入源で、 同時に森林保護にも繋がっている」「中国産割り箸のせいで日本の林業が危機的状況に追いやられた。」など貴重なメールをたくさん頂いたことがあります。私自身、日本の林業についてはほとんど知らないこともあり、内心、メールの内容に半信半疑なところがありました。その後、ネットなどで割り箸について調べるうちに、頂いたメールの意見が正しく、割り箸について大きく誤解していたと痛感したものです。 ちくま新書の5月の新刊に 田中 淳夫 著『割り箸はもったいない? ─食卓から見た森林問題』という1冊があります。 題名の通り「割り箸」をテーマに、割り箸の種類から製造方法、国内産、海外産の違いや、割り箸は環境破壊の産物なのかどうか?マイ割り箸運動は環境保護に本当に役立つのかどうか?日本の林業の行く末までが纏められており読みやすく、日常の中で何気なく利用している「割り箸」一つとっても、ここまで深く掘り下げることができるのかと感心しました。 昨今、建築企業やさまざまな環境NGO・NPOなどによって植林する森林保護運動が活発に行われていますが、木を植えるだけで安心し手を加えないままでいると、木が雑然と成長するだけで、それにより日光が遮られ、多くの木の成長が止まり光合成も鈍り、その結果、光合成を行う元気な木の割合よりも、老木や枯れ木が増えてしまい、その腐敗によって二酸化炭素放出量が上回ることになります。(このことは、昨年にCWニコルさんが何処かの新聞で、 日本の植林運動は木を植えるだけで環境保護をしたという自己満足で 終っていることが多く、これでは森林を逆にダメするということを書いていました。)それを防ぎ活気ある森作りのために間伐が必要で、その間伐材を有効活用しようと日本の割り箸は作られています。すなわち、日本製の割り箸は環境保護と「もったいない」精神の産物なのだということが理解できます。 この本では、外国産の割り箸についても書かれていますが、中国産割り箸で一つだけ気になっている話が書かれていなかったのが少々残念でした。それは、数年前にワイドショー番組で放送された、工事現場の木製や竹製の足場の廃材を除菌とカビが生えないように亜硫酸に数日間漬け込み、最後は漂白剤に数日間漬け込み、見た目をきれいにしてから、割り箸に加工再利用しているという話です。その再利用割り箸は亜硫酸などが滲み込んでいて体に有害ということらしいのですが、この割り箸作りは現在も中国で行われているのか。そして体に有害だというのは本当なのか。それも調査して本で紹介していれば、私的にはほぼ完璧な一冊となったのですが。私が以前に外食時にマイ箸を利用していたのは、(利用すると言っても、ほとんど持っていくのを忘れるで意味は無かったのですが。) 中国産の食料品などから有害な物質が検出されたという報道が多く、中国産は怖いものと思っているからです。それで、マイ箸を所持していたのですが、この本で提案されていた同じマイ箸を持つのであれば、日本の林業や森林を守るためにも間伐材でつくられた国産の割り箸を使ったほうが森林保護に繋がるので、同じ割り箸を使うのであれば、国産の割り箸を使おうということで、ちょっと高いですが、これからは国産の吉野の香りの良い杉の安全な割り箸をマイ割り箸として使おうかと考えています。参考リンク:この本を執筆された森林ジャーナリスト田中淳夫氏のブログだれが日本の「森と木と田舎」を殺すのかだれが日本の「森」を殺すのか&田舎で暮らす!割り箸はもったいない?ホームページ割り箸から見た環境問題↓エンピツ投票ボタンです。 押してくださると日記を書く励みになります。エンピツ時事/社会ランキング エンピツ総合投票ランキングMyエンピツ追加