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2005年09月18日(日) いい加減目覚めなさい。

その内容ゆえに、ネット上で物議をかもし出したり、

その影響から、商品のイメージが悪くなるとスポンサーのクレームにより

番組冒頭のCM提供会社のクレジットが出なくなったりと、

話題に事欠かなかった日テレ系のドラマ

『女王の教室』の最終回が昨日放送されました。

このドラマが話題になった第3話から見始めましたが、

久々にはまってしまったドラマでした。

スポンサーに頭の上がらないTV局だけに、

クレームによってドラマの内容を軌道修正するかと思いきや、

最後まで芯をぶれることなく終らせただけでも

製作スタッフは大人を貫いたなと思います。

金八先生が奇麗事のオンパレードならば、

阿久津先生は、本音のオンパレード。

「普段は個人の自由だとか偉そうに権利を主張するくせに、
いざとなったら、人権侵害だと”大人”に守ってもらおうして、
要するにいつまでたっても子供でいたいだけなのよ。
悔しかったら自分の人生くらい自分で責任もちなさいよ。」

自由の意味を履き違えた今の若者への批判、

イジメに対する耐性をつくれない親への批判、

教師、日教組、政治家・会社員・企業に対する批判など、

かなりストレートに物事の本質を言い切っていて、

私は見ていて気持ちよかったです。

奇麗事ばかりの金八先生と教育方針まったく違いますが、

どちらも全身全霊で子供の事を思っての事なのです。

 子供に嫌われたくないと、子供と友達感覚で接し

両親も先生も優しくなりすぎた現代では、

子供の言いなりにかばいすぎて、子供の生きる強さを逆にくじいています。

子供の前に立ちはだかる壁になるぐらいに時には厳しく教えてこそ、

子供は成長できるのだというメッセージ性があるドラマで、

壁にぶつかった時に、まずは自分で問題解決出来るように努力してみることや、

自分自身でそれに打ち勝つ事で自立心が芽生えるのですが、

親が真っ先に必要以上に手を差し伸べ、甘やかし、

まずは自分で何とかしようと努力させる事をしないため、

ぬるま湯に浸かりっぱなしな状態で、挫折や失敗や負けを知らぬまま

大人になり社会に放り出される。

何でも思うままだった子供時代とは違って、思い通りにならなかったり、

理不尽な事や試練や逆境にぶつかった時に、それまで挫折を知らない反動で、

引きこもりやニートになってしまう若者も多いのではないでしょうか。

そんな子供をダメにする優しさや奇麗事ばかりあふれている今、

このドラマは、今の大人と子供への道徳教育番組だったのかもしれませんが、

しかし、ぬるま湯に浸かったまま現実を直視したくない若者や

間違った優しさで子供に接している大人は、

阿久津先生の正論はかなり本質を衝いているぶん、苦痛に感じたのでしょう。

だから、番組が始まった当初は、

「ぬるま湯から現実に戻すような事はしないでくれ〜」

と抵抗して批判する人が多かったのかもしれません。

 「乗り越えられる壁」としての大人、尊敬ができる「かっこいい」大人が

少なくなった現在の子供は可哀想な気がします。

このドラマは、面白い事に大人よりも小学生に人気があったそうですが、

子供は、感情のままにヒステリックに怒るのではなく、阿久津真矢のような

諭すように叱ってくれる大人を求めているからなのかもしれません。

でも、実際にあんな教師が居たら、今の打たれ弱い子供なら

すぐに登校拒否しちゃうと思うし、

学校内でも大問題になってしまうでしょうね。

続編を希望している人は多いようですが、

下手に続編や番外編はないほうが、このドラマの価値が高まると思います。

箴言の大家、ラ・ロシュフコーの言葉。
「ほんとうの優しさを持つことのできる人は、
 しっかりした心構えのある人だけだ。
 優しそうに見える人は、通常、弱さだけしか持っていない人だ。
 そしてその弱さは、わけなく気むずかしさになり変わる。」




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名塚元哉 |←ホームページ