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2002年01月17日(木) 1.17 あの日と向き合って

このHPを作ってから、初めての1月17日。
多くの尊い命や、たくさんの大切なものが失われたあの日から、早7年が経ちました。
7年といえば、95年に生まれた子供が、小学校に入学するほどの年月です。
そう考えると、7年目は考え深い。
7年前のあの日、あの時間の少し前、僕は愛犬のクッキーに起こされました。
クッキーは寒くなると布団に入って寝るので、
いつもと同じ事とその瞬間は思ったんです。
しかし、次の瞬間大きな地鳴りと共に、下から大きく突き上げられた!
震度7の揺れは、洗濯機の中に入ってかき回されるような
なんとも表現しにくい強い揺れ。
慌てて布団をすっぽり被り、恐怖で飛び出しそうになるクッキーを必死で抑えました。
クッキーが本能から危険を察知して布団に潜ってきたのか、
ただ単に寒くて潜ったのかどうかはさておき、
起こされたおかげで、僕が助かったのだろうけど、
あの時は部屋中グチャグチャになっていたので、僕が押さえ込まず
クッキーが布団を飛び出したら、怪我をしていただろうと思うと
果たして一体どちらが命の恩人か分らない。

幸いな事に家族全員怪我人も無く助かったのですが、
自宅は全壊に近い半壊でした。
その後、3週間ほど近所の会館に避難していました。
この避難所が、不思議と悲壮感も無く、皆さん逆境に燃えて立ち向かい、
笑いも耐えなく、ボランティアに来た人も驚くほど和気藹々としていました。
人々が助け合い、素直に優しさを出す事に、
生きる事の原点をあらためて教えられた気がします。
そして、体力の無い自分でも出来る事がたくさんあることを知りました。
それから7年、あの時のボランティアさんや
緊急医療チーム、スタッフさんの笑顔。
炊き出しのお味噌汁などの味。
全てが忘れられない、かけがえの無い思い出になっています。
皆さんの優しさで、今の僕が居ます。
本当に本当にありがとうございました。

人口も戻り、街は元の賑やかさを取り戻したかのように見えます。
しかし一歩路地に入れば、行政の意味の有るのか無いのか
分らない区画整理のため、手付かずのままの空き地がたくさんあります。
何も考えず建てた復興住宅には、人とのふれあいがあった
仮設住宅での暮らしを懐かしむお年寄りが大勢暮らしています。

今日が終われば、TVニュースや新聞は、
何事も無かったかのように元に戻ることでしょう。
でも、復興に向けてまだまだ一生懸命頑張っている人たちや、
最愛の人を亡くし、心の傷と懸命に戦って生きている人たちが
まだまだたくさん居る事をどうかどうか忘れないでほしいです。

箴言の大家、ラ・ロシュフコーの言葉。
「本当の優しさを持つことのできる人は、しっかりした心構えのある人だ。
優しそうに見える人は、通常、弱さだけしか持っていない人。
そしてその弱さは、わけなく気むずかしさに変わる」


「何もない事が幸せなのです。
見送る日々があり、忘れえぬ日があり。」
今日、松山千春さんのこの歌を聴きながら
絵を描いていたら、思わず泣いてしまいました。





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