ランダムに画像を表示










もくじ過去未来

2001年10月30日(火) 「たま」って知ってる?

通販で頼んでいた、たまのマキシシングル『汽車には誰も乗っていない』がやっと届きました。
長年僕と交流のある人はすでに知っていると思いますが、僕が一番好きなバンドは「たま」です。
今から約11年前、風邪を引いて診察に行った小児科に置いてあった『週刊少年サンデー』に
バーンと表紙と巻頭グラビアで紹介されていたのを見たのがきっかけです。その後、お酒のCM(?)で
♪今日〜人類が始めて木星に着いたよ〜ピテカントロプスになる日も近づいたんだよ〜♪
その歌詞が耳から離れず、気がつけば「たま」の種が頭に植えつけられ、
知らぬ間にシングルCD『さよなら人類』を買っていました。毎日20回以上は聞いていました(笑)。
バ〜ンと世間に衝撃を与えた彼らは、一気にお茶の間の人気者になり紅白歌合戦に出場するまでになりました。
しかし、その世界について来れたのはごくわずかの人たち。
マスコミに躍らせれていた人は去っていき、ブームも過ぎていきました。
しかし、彼らは売れても売れなくても、自分たちの世界で言葉&音遊びをしつづけています。
たまのいい所は、歌詞が独創的。しかもメンバー4人がそれぞれ作詞・作曲して、その歌を唄う。
音楽の個性が違うのに、不思議とお互いが程よくマッチしている。
その日本語だけで綴られた摩訶不思議な歌詞と「へんてこ」サウンドは、
聴けばどこか懐かしい場所、異国、夢の世界に連れて行ってくれるのです。
僕が特に好きなのは滝本さんの作る歌です。
あの人の一見日本語を無秩序に並べたように見えて、実に整った詩の世界は非常に美しいです。
風景が流れては消えていく残像。あいまいなような確かなような判然としない世界。
また作曲するサウンドも、パッヘルベルのカノンを思わせる通奏低音の
上に余計な音を一切排した完成されたメロディ−。
この単純さと優雅さは、わずかにモ−ツアルトが比肩しうる…(ちょいと誉めすぎかな。)
あれから10年以上経ち、メンバーの一人(柳原さん)が去ったものの、ぜんぜん変わることなく、
今も摩訶不思議な世界に一瞬にして連れて行ってくれるのです。
マキシシングルのジャケットを見ても、10年以上経つのにランニングの石川さん(パーカッション)、
ブカブカ服と半ズボンの知久さん(ギター)、カッターシャツで無表情の滝本さん(ベース)
の3人は風貌、歌声、体型もぜんぜん変わらず、この人たちは時間の無い世界の住人?
はたまた絵本の中の主人公なのかも?歳をとったのは僕だけかと思わせます。

どこかで見た、聞いたオリジナリティーの無い作品が多い昨今。彼らだけは1歩も2歩も
いや100歩進んだ世界に居るんだと思われます。
いつまでも楽しい世界を見せ続けている「たま」は僕の永遠のスターなのです。







名塚元哉 |←ホームページ