白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2005年07月29日(金) 嫌いな物は嫌いなようで。

日中、社用で外出した。電車に揺られてガタゴトと。車内は色んな人がいた。

スーツを着込んだサラリーマン。制服姿のOL姉さん。運動部ジャージの学生さん。夏の午後の電車は様々な年齢、境遇の人を乗せて走っていた。その中に……彼女もいたのだ。その女性は年の頃なら50代前半。ブランド物のTシャツにスラックス。お化粧の具合に抜かり無し……というような、至極ありふれた「大阪のオバチャン」だった。私の目は彼女に釘づけになってしまった。だって、彼女は電車の座席に座って、モシャモシャとパンを食べはじめたのだもの。

彼女は、手持ちのトートバックから菓子パンを取り出し、いっき喰い。そして持参のペットボトル(凍らせてタオルを巻いている)から飲み物を飲んだ。よほどお腹が空いていたのか、1個目のパンを平らげて2個目のパンを取り出した。もちろん2個目もペロリと食べた。人間がパンを食べている姿など、めずらしくもなんともないはずなのに、私は彼女から目が離せなかった。

世の中に「電車でパンを食べてはいけない」という法律はない。

昨今「電車で化粧をする若い女」が話題に上がる。あれはどうかと思っていたが、電車でパンを食べるのもどうかと思うのだ。しかも酸いも甘いも噛み分けた分別盛りの大人が……である。もしも私が彼女の家族や知人だったら、情けないし哀しいと思う。彼女が家族や知人でも、自分より年少の人なら純粋に怒ったり、諭したりすると思うけれど、その年齢で、それ…っていうのは、なんだかなぁ。

もっとも、よくよく事情があったのかも知れない……と自分に言い聞かせてみたりもしたのだ。たとえば彼女は要介護の舅(姑)を抱えていて、実家の親も入院中で、病院へ行く最中だったりなんかして、落ち着いて食事をする時間さえない人なのかも知れない……などと、想像力をフル活用して考えてみた。が……駄目だった。

どうやら私は電車の中で食事をするような人間が嫌いみたいだ。

長距離電車で弁当を食べたり、短い距離の区間でもガムやキャンディやチョコレートといった類のものを食べるのを悪いとは言わない。だけど基本的に電車は食事をする場所ではないと思うのだ。法律には触れないし、取り立てて人に迷惑をかけるほどでは無いけれど、マナーとか品性ってところに引っ掛かるように思う。

自分の物差しで人を計ってはイケナイとは思うのだけど、嫌いな物は嫌いだし、駄目なものは駄目だ……ってことを、しみじみ思った夏の午後だった。世の中には色んな人がいるよなぁ…ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2004年07月29日(木) それなりに。
2003年07月29日(火) 移動メロンパン屋さん。
2002年07月29日(月) 相棒の送別会。

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