白い木蓮の花の下で ~逝くときは白い木蓮の花の下で~ 目次|過去|未来 【検索からお越しの方へ】
私の住んでいる地域では、週に1回、花を売るトラックがやってくる。 山の麓で、花を作っている農家の方が 軽トラックの荷台に花を積んで「お手ごろ」価格で花を販売していている。 「素敵な花束」とか「お洒落な駕籠に入ったアレンジ」なんかは無くて 関西地方の言葉で言うところの「仏さんのお花」が主力商品となっていて ↑「仏さんのお花」とは、仏壇に飾る花のこと。仏花。 仏花以外では、薪だの、榊だの、どちらにせよ「供えもの系」の物が多くて 花瓶に挿して飾りたいような花もあるには、あるのだけれど こちらは種類も少なくて、新聞紙に包んで「ポイッ」と渡してくれる。 「お供えの花」を専門に売っている…という風情の移動花屋で 我が家では、週に1回「仏さんのお花」を買っている。 表に出ていって買うのは、もっぱら母の役割になっていて 私が実際に出て行って花を買ったことはなかったのだけれども 昨日は、たまたま母の手がふさがっていたので 私が出て行って花を買った。 玄関を出ると、路肩に止めてある軽トラックを中心に ワラワラと近所の主婦が集まっていた。 オバチャンとかオバアチャンばかりで、若い主婦がいなかったのは 自宅に仏壇だや神棚の有無が決めてになっているのだろう。 「いやぁ。今日は暑いですね」などと世間的な挨拶をして 私もワラワラのメンバーに加わった。 花を買うメンバーも、求められる商品も、毎度決まっているようで 花屋の主人は注文を聞かず、主婦達に花を手渡していた。 なんとなく「売る」というより「配っている」という印象。 「配給ってこんな感じ?」とか思ったりしながら順番がくるのを待つ。 私の場合は「はじめて」だから、注文しなきゃいけないよねぇ~ ……と思っていると私の番がまわってきた。 「はい」 ←花屋の主人。こともなげに花を差し出す。 「……はぁ」 ←私。ちょっと呆然としながら花を受け取る。 私が受け取った花は、間違いなく「いつも頼んでいる花」だった。 我が家の仏壇は、一般的な仏壇よりも小さ目にできいるので 「仏さんのお花」も少し小さ目に作ってもらっているのだが 私が受け取った花は「少し小さ目」の我が家仕様だった。 どうして注文をしないうちに花が出てきたのだろう? 間違いなく、私と花屋の主人は初対面だったはずなのに? なぜ、私が「あの家の人間」だってことが分かったのだろう? 母に似ているから……ってな感じで一目で分かるったか? なにも聞かずに「はい」と手渡す自信の根拠はどこから? 謎は謎のまま、私は花屋の主人に代金を払って 家に戻って「仏さんの花」を仏壇に飾った。 それにしても「決め手」はなんだったのだろう? 花売りトラック……あなどりがたし。 小さな疑問を解決できないまま今日の日記は、これにてオシマイ。 <事後報告> お気づきの方もおられるかとは思いますが 昨日をもって『エンピツ日記』のランキングから撤退しました。 今まで「ぽちっ」と押してくださって、どうもありがとう♪ 日記は今までどおり続けていくので、これからも遊びにきてくださいまし。 また、気が向いたらランキングに返り咲くかも知れませんが しばらくは「こっそり・ぼちぼち」ってことで、ヨロシクです。 |