白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2002年02月04日(月) 愛しむように。

私は毎日かかさず、何がしかの「本」を読むタイプの人間で
しかも無類の本好きなのですが
このところ、どうも「本のアタリ」がイマイチです。
「あぁ。良かったぁ」と心に染み入るような本や
「この本と出会えて幸せだよ」と思う回数が激減しています。

理由は分かっているのですけれどね。ええ。

「忙しさ」にまかせて、巷の書評で好評を得ている本や
「今月のオススメ」のような形で書店で平積みになっている本や
「100円だから、まぁ、いいか」という気持ちで古書店で買った本や
そんな、いいかげんな気持ちでもって本を選ぶことが多いので
だから「本のアタリ」がイマイチなのです。

♪ 我が家は貧乏〜〜 生活は辛抱〜〜 ♪

なんてことを日記にも、よく書いていますし
実際のところ「お金持ち」とは言い難い暮らしっぷりなのですが
私も社会人のはしくれなので、文庫本の新刊本の1冊や2冊や3冊……
とにかく、本を買うくらいの「おこづかい」は確保できている訳です。

学生で親から「おこづかい」をもらっていた頃は
自分の自由にできる金額なんて、たかだか知れていましたから
本や漫画を買おうと思っても、今とは違って真剣勝負でした。
図書館で借りたりもしていまいたが「どうしても欲しい本」となると
やはり自分の手元に置いていたいというのが人情というもので
今の私には、とても真似のできない「情熱」や「愛情」でもって
1冊の本を選び、そして愛おしむように読んでいたように思います。

これは、なにも「本」に限ったことではないのですが
「愛だね。愛」
……という、あの言葉は的を得ているなぁ〜と思うのです。
働いて、自分の力でお金を得るようになってから
物質的なこと、精神的なこと……
とにかく、たくさんの物を手に入れてきましたが
失ってしまった物もあるのだなぁ〜と思わずにはいられません。

いくら心を入れ替えて……と思ってみたところで
やっとの思いで新刊本を手に入れた時の
恍惚としたドキドキ感は…あの頃の感情は戻ってこないのです。

だからって「お金を稼ぐのは不幸である」という訳でもないのです。
たとえば……
大人達(特に男性陣)の間に一大ブレイクを巻き起こした
『チョコ・エッグ』のまとめ買いや
これから私が挑もうとしている『松本零士の世界』のいっき買いも
大人ならではの「お楽しみ」という感じですから。
↑自由になるお金がなければ、こういうバカな真似はできません。

もっと本に……本に限らず、全てのものに対して
「愛しむ」気持ちでもって関わっていきたいなぁ〜〜
などと思うのですが、これまた理想論なんですよね。えぇ。

「おざなり」「てきとう」「なすがまま」「流れゆくまま」

ついつい、そうなって、しまいがちです。私の場合。
失うものとか、掴むものとか……
色々ある訳でございますな。はい(江戸の噺家さん風で)
この休日は「愛しむようにして本を選んで、買おう」
……などと誓いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。

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今日の日記とは関係ないのだけれど
海老一染太郎さんが、お亡くなりになったのですね。
70歳というお歳を考えると自然の成り行きなのでしょうけれど
大好きな芸人さんだったので残念でなりません。
ある種「癒し系」の芸人さんだったような気がします。

ささやかな幸せの種を日本中に撒き散らして逝ってしまったあの方の
心からご冥福をお祈りしつつ。


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