年末になると「みんな偉いよなぁ」と思う事がある。
「今年の10大ニュース」
「今年のベストCD」
「今年のベスト本」
……なんてぇのを、みんな器用に順番付けて発表してるなぁ…って。
私の場合は「なんとなくイージー」に日々を過ごしているので
三度の食事に並ぶくらい大好きな読書にしたって
「今年、何を読んだか」ってことも定かではないし
激烈に感動した本もあるけれど順番に並べるなんて事はできそうにもない。
物事に順番を付けたり、分類したりするのは大好きなのだが
色々なジャンルの本があるのに、ひと括りにして評価できないと思うのだな。
音楽にしても、しかり。事件にしても、しかり。
「今年とんでもなく心に残ったものを項目別にのべよ」
……とか言われたら、ちゃんと書けるんだけど。
今日は、ちょっと「そんな事」でも書き残しておこうかと思う。
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<ツボにハマった小説 >
『幼児狩り・蟹』 河野多恵子 新潮文庫
20年以上前に「被虐・嗜虐」をテーマにした小説が
しかもその年代の女性作家が扱っていたという事が驚きだった。
下品でなくて深い味わい。田口ランディで感じた衝撃以上だった。
<ツボにハマった随筆>
『食う寝る坐る永平寺修行記』 野々村馨 新潮文庫
私には出家するなんて無理だなぁ…と思った1冊。
まったく道の世界を覗き見る楽しさと、宗教感についても少し考えさせられた。
<ツボにハマった音楽>
『奇跡のカンパネラ フジコ・ヘミング』 (CD)
ピアノ演奏は「感情が濃厚に表現されている物が好き」だと思っていたのだけれど
カットグラスの中でビー玉を転がしたような、透明で乾いた音楽が新鮮だった。
<ツボにハマった映画>
『リトルダンサー』
今年は何かと忙しくて観た映画が少なくったのだけれど
これはダントツに良かった。人間ってステキと思える1作。
<心に残った食事>
戴き物でありついた「蟹」と「牛肉」高価なこともさることながら
贈ってくださった方の気持ちが嬉しかった。
<重大事件・家庭編>
何をおいても、弟が事故にあって指2本落としちゃったこと。
ほぼ半年近く「それ」を中心にして世界が回っていたようだ。
出血多量で死ぬかもなんてこともあったけど無事にことが運んで、やれやれ。
<重大事件・世間編>
『アメリカ・テロ事件&その後の報復』
様々な議論が展開されたけれど、ひとことで言うなら
「戦争はアカン。アカンもんはアカン」
アメリカは個性や個人の思想を尊重する国だと言うけれど
大統領のひと声で、そうとうの数の人間が同じ方向を向くのって
なんて没・個性なんだろう…と腹立たしく感じた。
<番外編・ネット生活>
公開日記をはじめるが、色々と行き詰まって挫折。
「エンピツ日記」でリベンジ。今のところ順調に書けている。
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今年は「弟の事故」があったので
なんの思い出も残らなかったような気がしていたけれど
書き出してみれば、色々あるものだ。
ベスト10なんて作らなくても(作れなくても)
「たった1つ」でも心に刻むものがあればいい
……私は、そんな風に考えている。