本日乃秋津。

ホンジツノアキツ。 >>new>>index>>about>>antenna

2006年06月18日(日)［life goes on］

「人生はリセットできない」
「やり直しの効かない人生なんてない」

人はそう言う。

確かに人生にリセットボタンはない。
だが人が望むリセットボタンの機能を考えるに、可能性は二つあると思う。

①自分の外見、性格、家庭環境そのままに、出生からリセット。
②受精からリセット。

①は普通考えるリセットだろう。
ゲームだって、リセットボタン押したからと言ってキャラ設定が
真っ白だったら困る。
そして前回の失敗を繰り返さないようにやる。
これは人間が考える、実に都合のいいリセットだ。
そして現実にはあり得ない。

②は本当の意味でのリセット。
記憶も、人種も、何もかもリセット。
下手すると生まれてくるって保証もない。
中絶されるかもしれないし、流産、死産かもしれない。
さまざまなリスクを乗り越えて生まれたとして、生まれた国が日本じゃない
可能性もある。
世界の先進国に生まれる確率は１０パーセントほど。
先進国に生まれたってだけで、人生は結構ラッキーなのだ。

ここまで考えて、私はリセットはしない方がいいな、と思った。
読んでる貴方を不快にさせるかもしれないが、
少なくとも先進国に生まれた幸運を手放したくはない。
いま現在、戦争・紛争のない、水のきれいな、識字率の高い国に
五体満足で生まれたってだけで、私は幸せと思う。

そして、人生における「やり直し」。
まず、やり直しって何だ？
言葉通りの意味を取れば、１度済んだことを、もう１度最初っからやるってこと。
しかしそれはリセットではなく、１度済んだことを済んだこととして置いて、
もう１度最初からやる。
過去は過去。
迷った道を振り返っても仕方ないので、前に進むのだ。

たとえば、会社クビになったら違う会社に再就職。
退学になったら再入学。
恋人と別れたら違う人と付き合う。
離婚したら再婚。
友達とケンカ別れしたら別の友達を作る。

しかしそれのどれも、１度失敗したことを前提にやる。
だから人は繰り返さないように慎重になる。
でも時々昔の失敗を忘れて繰り返したり、違う失敗をしたりする。
人は、そうやって生きていく。

やり直しが効かない人生などないと言うセリフは、
だからちょっと間違っている気がする。

どんなにつらいことがあったって、人は死ぬまで生きるものだ。
つらくたって、きつくたって、人生は続く。
だったら、人はやり直さなくては生きてはいけない。
やり直そうなんて意識もなく、やり直し続けていくのだ。

だって、
life goes on。

<< past will >>