金色の夢を、ずっと見てる

2010年10月08日(金) 『大奥』見てきました。

今日は有給を取りました。


私は今年度末で契約期間満了で退職の予定なんですが、現時点でまだ有給が30日以上残ってるんだよね。このままだと、年度末にどかんと1ヶ月近く休むか、じゃなかったら消化しきれないまま休暇を無駄にする事になりそうなので、今から少しずつ使っていこうかと。もちろん有給を全部使い切れなくてもいいんだけど
「あぁ、まだ有給が20日以上あったのに…」
と思いながら退職するよりは、仕事に支障がない範囲でちょっとずつ消化して遊ばせてもらおうかと(^^;



というわけで、今月から公開されてる映画『大奥』を見てきました。以下、ネタばれしつつ感想なので、見に行く予定の方はここでお引き返しくださいな。

























正直、キャスティングが発表された時には
「ニノが水野か〜……ちょっと違くない?吉宗も、『器量はイマイチだが政治能力は優れた切れ者』って設定だと思うんだけど、柴咲コウちゃんだとちょっと美人過ぎるような気が……そもそも、水野と吉宗の話は全体から見たら序章というか、そこから始まる長い物語の導入部に過ぎないんだけど、そこだけ映画化ってのもどうなんだろう」
と思ったんですよ。




でも、まぁニノは正直言って
「水野としてはもうちょっと身長が…!」
とは思いましたが(笑)映画そのものは予想以上の完成度だったと思います。


水野が大奥に入る事を決めて、幼馴染のお信(堀北真希ちゃん)に別れを告げるシーン。原作ではお信に覆いかぶさるようにして別れのキスをするんですが、ニノと堀北さんだと身長があまり変わらなくて、そこだけは惜しかったかな(笑)でも最初の、貧乏で器量もよくない女でも子種のために望まれればタダで寝てやる…ってシーンのニノは、正直かなりドキッとしました。初めて二宮和也という人を色っぽいと思いました……そういうシーンだからってだけじゃなくて、映画全体を通して、不思議な色気と魅力を感じたんだよね。



原作では描かれてなかった鶴岡(関ジャニの大倉くん)のその後が切なかったなぁ。立ち合いで新入り水野に負けて
「この大奥で必要なのは剣術じゃない。美しい顔と処世術よ!お主よりわしの方がずっと美しい!」
と吐き捨てた彼は、原作ではその後出て来なかったんだよね。



自分を寵愛してくれていた松島(玉木宏)に見捨てられ絶望し、水野にもう1度勝負を挑んで、負けて、自ら腹を切った……最後は、大奥でのし上がる事よりも武士としての誇りを選んだのかな、と。それを止めたり助けようと騒ぎ立てたりせずに、切腹の介錯を務める(=首を落として、長く苦しまずにあの世へ行かせてやる)事で鶴岡の意地を守った水野の気持ちを思うと、泣けてしまいました。



個人的には、格上げされた水野がお針子達の心をつかんだ『針探し』のエピソードが丸ごと削られてたのが残念だったかな〜。あの話、好きだったのに。あと、水野に焦がれて
「衣裳のお礼に菓子でも…」
という水野に
「何もいりません。ただ、思い出を…」
と顔を真っ赤にして告った垣添(中村蒼くん)。とってもかわいくて微笑ましかったんだけど、実は水野より背が高いんだよね。こんなとこでもニノの小柄さが惜しい事に!(苦笑)

でも垣添の恋心に
「ま、いっか。減るもんじゃなし」
とチューしてあげた水野にこらえきれずに大笑いする杉下(阿部サダヲさん)がナイスでした。あのシーン笑ったわ〜。




そう!阿部サダヲさん!杉下が阿部さんってのも、最初は
「え〜?なんか違う〜」
と思ってたんですが、これがまたすっごい良かった!最初の方で淡々と
「ここ(大奥)でしか生きていけぬ者もおるのだ」
と水野に語ったシーンとか、水野が『ご内証の方』に選ばれてしまったのを
「あまりに理不尽!」
と憤るシーンとか、阿部さんの演技そのものもすごく良くて、かつ、その演技があるからこそその後のニノの演技がより引き立つ…という場面が多くて。


『ご内証の方』は死なねばならぬ…と知らされた後の、憤る杉下に水野が言った
「それ以上言わねぇでくれ。心が曇る」
というセリフ。

原作では、水野は気持ちを抑えきれない感じで大声で杉下を遮って言うんだけど、映画ではニノはとても静かな表情と口調で言ったんです。原作のそのシーンもすごく良かったんだけど、そうかー二宮和也という俳優はあのセリフをこう解釈するのかー…と。そしてそれはすごくいい演技でした。静かな表情と声だったからこそ、より胸に響いた気がしたんです。




柴咲コウちゃんが演じた将軍・吉宗の男前っぷりも素晴らしかったですよ。ていうか、時代が時代だからか、主だった女優さんのほとんどがすっぴんに近いぐらいのナチュラルメイクだったんですよね。唯一の例外が、吉宗が就任早々にクビにした間部詮房(菊川怜さん)で、この人だけは白粉も紅もバッチリで。でもこの人はその贅沢さを理由にクビにされる役なので、それで正解(笑)

そして、ほぼベースメイクだけでほとんど色味を使ってない顔立ちの柴咲コウちゃんは、不思議な事に『整ってはいるが美人とはちょっと違う、意志の強く頭の切れる女将軍』に見えるんです…。お信を演じた堀北真希ちゃんも、裕福な薬種問屋の娘という設定なので多少はかわいらしいメイクではありましたが、柴咲さん同様におそらくすっぴんに近いであろうナチュラルメイクなのに、育ちのいい一途なお嬢さんって雰囲気がよく出ててすごくかわいかった。


あと特に印象深かったのは、吉宗の側近・加納久通を演じた和久井映見さんがまた良かったの。こちらも本気ですっぴんかと思うほどのナチュラルメイクだったんですが、大奥総取締役・藤波様(佐々木蔵之介さん)と渡り合った時の食えない感じが
「だてに年くってませんぜ〜」
って感じで、頼りになる側近としてすごく安定した存在感でしたね。





吉宗と水野の閨でのシーンは、とにかく切なかったです。吉宗の女としての名前が『のぶ』だと知った水野が
「今宵一晩だけ、おのぶと呼ばせてください…!」
と願い出たシーンでは、うるうるしながら吉宗を見つめる水野に思わず胸キュンしちゃいましたよ。何よもう、子犬のような目ってこういうの!?って感じで(笑)

それを受けた吉宗を
「おのぶ!」
と呼びながら抱きしめた水野がどんな気持ちだったのかと。その前に、庭で1人
「こんな事になるなら、お信、お前と寝ちまえば良かった。好きだ、惚れてるって何度でも言っちまえば良かった…」
と後悔するシーンがあったから余計に、閨でのやり取りが切なくて。



ラストも、吉宗の計らいで水野は命を救われて町へ帰れるんだけど、その結末を知ってても、水野とお信の再会のシーンでは泣いてしまいました。水野に抱きついてなくお信の背中を、なだめるようにとんとんと叩く水野の手が優しくて。その後に吉宗が
「さて、この国をどうしてくれようか」
と踏み出すシーンが、もしかして続編でもあるか?とちょっと期待を抱かせてくれましたが…どうなんだろうなぁ。




エンディングが嵐の歌だったのは……う〜ん、正直ちょっと微妙だったかな。曲としてはすごくいい曲だし、歌詞が微妙に物語とリンクしてる気がしてそれはいいんだけど、なんか
「あ〜、嵐ってメンバーが出てるドラマとか必ず主題歌取るよな〜…」
とちょっと1歩引いてしまった所もあって。まぁいわゆる『大人の事情』という奴かな…とね。それぐらいなら柴咲コウちゃんの曲でもよかったかな、なんて。

えぇ、ファンの人には怒られるかもしれない事を承知で言えば、あの予想外に完成度が高かった映画の主題歌としては、アイドルの歌はちょっと相応しくなかった気がするんですよ。もうちょっと重厚さとか、作品の世界観に沿うこだわりが欲しかった。


……と言いつつ、帰ってから着うたダウンロードしましたけどね(苦笑)




トータルとしては、役者・二宮和也の力に脱帽でした。ドラマとかでも度々そう思ったんだけど、すごいね、ニノは。微妙なセリフ回しや表情で、すごくいろんな事を表現できる人だな。上手に表現するだけじゃなくて、見てる人に
「今、こんな気持ちなんだろうな」
と想像させて引き込む、不思議なパワーと魅力の持ち主だと思いました。だって今、実はもう1回見に行きたくてちょっと悩んでるもん(笑)帰ってすぐ原作を読み返して、読んだらもう1度映画も見たくなっちゃって困ってます(苦笑)








そして、今日は実は次郎君の誕生日です。映画を見てからそこのショッピングモールでプレゼント選び。うちは結婚してからは誕生日とかクリスマスとかのプレゼントは原則廃止で、欲しいものがある時はリクエストするって事にしてるんだよね。聞いてみたけど今年は特に欲しいものはないとの事だったので
「じゃぁ次郎君が食べたい物を食べに行くぐらいでいいか?」
と思ってたのですが、でもプレゼントがまったくないってのも寂しいかな…というわけで。

紳士服売り場をぐるぐる周った挙句、茶色の綿生地が裏地としてついてて1枚で着れるモスグリーンのニットを購入。襟もとがジップアップになってて、そこだけ内側の生地が見えるので重ね着風に見えるのです。冬場はどうしても茶色とか黒とかグレーとかベージュが多くなるので、こういう色の服が1枚ぐらいあってもいだろう。


帰宅してユウに仕込んで、帰ってきた次郎君に
「パパ、お誕生日おめでとう!」
と渡させる事に成功し(笑)夕食は次郎君のリクエストで回転寿司。でもネタによっては525円の皿とかもあって、回転寿司の割にはおいしいお店なんですよー。普通のお寿司屋さんに比べたら安上がりなんだろうけど、でも3人で1万円近くかかっちゃった。プチ贅沢(^^; 


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咲良 [MAIL]

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