2006年12月20日(水) |
『僕の歩く道』最終回 |
昨日録画してた分を今日見たんですが。
なんか、しみじみする終わり方でした。テルを取り巻く環境がゆっくり変わっていく様子が、丁寧に描かれてました。
最初は『動物に愛情があるフリ・障害者に理解があるフリ』だった園長も、実は自分も自閉症児の父親だった古賀さんも、最初はテルにイライラしてた三浦君も、ゆっくり時間をかけてテルの事を知って、知るにつれて受け入れてくれるようになった。
障害者の弟を持つ事できっといろんな辛い思いをしてきたお兄ちゃんも、結局なんだかんだ言っても弟テルはかわいい存在で。同じように障害者の兄を持つ事でいろんな辛い思いをしてきたりなちゃんも、やっぱりお兄ちゃんテルの事が大好きで。
こんな風に社会全体が障害者を受け入れる事ができたら、きっともっといろんな人が住みやすくなるんだろうな〜と思えました。
個人的に、真樹さん(兄嫁)の存在がしれっと大きかったですねぇ。真樹さんとか三浦君って、いわゆる『一般人』の代表みたいなスタンスだったと思うんです。異質さが怖くて反射的に拒否してしまう。自閉症ってものをよく知らないから、対応できなくて拒絶してしまう。でもいろんな出来事を通して少しずつ自閉症の事をわかっていって、最終回にして真樹さんは 「輝明さんには感謝してる」 とまで言ってくれた。
本当は、あのシーンで真樹さんが 「輝明さんと一緒に住んでもいいよ」 とか言うんじゃないかと思ってたんですが、さすがにそれはなかったですね。そりゃあんまり劇的過ぎる。
ただ、このドラマの感想をいくつか読んだら、みんな結構同じ所でひっかかってるな〜って気がしたんですが、最終回にして都古ちゃんがなんかちょっとおかしくなかったか?
河原さんとの結婚生活が辛くなったのはわかった。でも、河原さんなりに一生懸命考えて、自分のここがいけなかったと思う、これからは気をつけるって歩み寄ろうとしてるのに、問答無用で離婚届突きつけて出てきちゃってお終い。
テルのグループホーム入所に関しても、戸惑うお母さんの気持ちおかまいなしに積極的で、なんか 「あれ?もうちょっとその辺思いやれる人じゃなかったっけ?」 って感じで少々違和感がありました。
悠然と空を滑る鳶の姿に思うところがあったのか、自分からグループホームで暮らすと言い出したテル。ラストシーンで 「外壁が黄色だったから気に入ったのかな」 と思ったらちょっと笑えました。
話が前後するけど、レースのスタート地点で集中しようとしてるテルの体を支えてるお兄ちゃん。あのシーン、良かったなぁ。あぁ『お兄ちゃん』だぁ・・・って感じで、泣けました。
前作『僕と彼女と彼女の生きる道』の時も思ったけど、草なぎ君ってすごい役者だな、と改めて思います。実はこのドラマが始まる前、ただテルが佇んでるだけのCMを見て、 「・・・・もしかして自閉症の人のドラマなのかな?」 って思ったんですよ。何の予備知識もなく、ただあのCMだけでそう思えた。それぐらい、あのCMの草なぎ君は『テル』だった。
とても上質なドラマだったなぁと思います。終わっちゃったのが寂しい。みんなのその後、みたいな感じの特別編とか作ってくれないかな。グループホームで暮らすテルと都古ちゃんの交流とか、お兄ちゃん一家のその後とか、古賀さんと別れた奥さんと自閉症の息子君のその後とか。
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