金色の夢を、ずっと見てる

2006年10月04日(水) 時間が何かを癒してくれた事を実感した日。

昨日の日記に書いてた友人と会ってきました。


結果から言うと・・・・・昨日アレだけ書いといてなんですが、会ってみたら意外と大丈夫でした。



もともと高校時代の友人で、大学は違ったんだけどしょっちゅう一緒に遊んでた子なんです。彼女は24か5ぐらいの時にもう結婚して、私はその結婚式でスピーチもしたぐらいの仲で。

でも彼女が結婚してしばらく経った頃、彼女の何気ない一言がきっかけで私の中にわだかまりが残ってしまった事がありました。後日、その頃彼女は夫婦間でちょっとした問題を抱えてて、そのせいでここ最近ずっとピリピリしてるという話を聞き、
「あぁ、だからあんな、よく考えたらすごく失礼じゃない?っていうような事を口走っちゃったのかもしれない。だったらしばらく時間を置いて、彼女の精神状態が良くなるのを待ってみようかな」
と思ったのですね。

さらに別の友達の件で
「以前の彼女だったら、もうちょっと気を使ったやり方が出来るはずなのに・・・・」
と思わされた出来事もあり。


そのうち彼女が妊娠して出産して、子供が1歳になった時に久々に会ってみようとお祝いを持ってお邪魔したんだけど、その時も・・・・なんというか、かなりあからさまに『私、勝ち組!』的な空気を感じて、非常に居心地の悪い思いをしたのです。


彼女が無事に妊娠して出産するまでに相当な苦労をしたという話は聞いてたので、子供が無事に大きくなってることが本当に嬉しく、誇らしかったのだろうという気持ちはわかります。

でもだからって、当時まだ結婚も出産もしてなかった(ついでに言うなら、その頃は彼氏もいなかった)私に向かって、いかにもそれが女の正しい生き方であるかのように結婚や出産をすすめる彼女の発言はあまりにも不愉快で。それを望んでない私が、女として欠陥品であるかのような言い方をされたのがあまりにも残念で。

そんなこんなでまた連絡を絶ってる間に、別の友達から
「先日彼女に偶然会ったらこんな事を言われた。なんかちょっと感じが変わったって言うか、そんな事言う人じゃないと思ってたんだけどな」
という話を聞き、ますます気持ちは遠ざかっていきました。


メールが来れば返事をする。電話がかかってくれば話す。年賀状はお互いに出す。その程度の付き合いが数年続き、でも昨年私が結婚した時には呼びました。そして今年の年賀状で彼女が第二子を妊娠中だと知り、その時に私の妊娠も伝え、産後は病院まで会いに来てくれて。


「その時に撮ったユウちゃんの写真があるから、近いうちに会えない?」
と連絡をもらい、写真を受け取るためと、私の約半月後に出産した彼女にお祝いを渡すために、今日会ってきたわけです。


かなり大変だったという彼女の出産時の話を聞き、お互いに子供の話をしたりしてるうちに、なんとなく自分がラクになってる事に気付きました。


「・・・・・なんか、覚悟してたほどしんどくない」



そして、決定打になったのはトマトの話だったと思います。


彼女は生のトマトが食べられないのだけど、長男は好きなんだそうです。
「スーパーとか一緒に連れて行ったりすると、おやつに食べるからプチトマト買ってって言ったりするんだよ」
と彼女が笑い、
「あぁそういえばアンタ、生のトマトだめだったね」
と私も笑ったその瞬間に、ふと昔の事を思い出したのです。


多分もう10年ぐらい前の事です。

一緒に居酒屋かどこかでご飯を食べてた時に、注文したサラダにくし型に切ったトマトが乗ってました。サラダを取り分けてくれた彼女は、そのトマトを全部いっぺんに私の取り皿に乗せたのです。

「いや、そんな事しなくても私が全部食べるから!っつーかいっぺんに乗せなくったっていいじゃん!」
と思わず爆笑してしまいました。

その事をふと思い出し、笑って・・・・



その時に、なんとなく私の心の中でわだかまってた事が小さくなったような気がしたのです。


もちろん、完全に昔と同じような気持ちになれたわけではありません。今日一緒に過ごしたのはほんの2〜3時間で、その間ほとんど子供の話しかしてないわけだから、かつて私が感じた微妙に癇に障る無神経さや不躾さを感じる機会がなかっただけなのかもしれません。


でも、間違いなく、数年前に会った時のような居心地の悪さは感じませんでした。

そしてその空気の快適さは、私も結婚して出産して彼女と同じフィールドに立ったという感覚からくるものではなかったと思うのです。


多分、まともに会わずにいた数年の間に、私の中のわだかまりがゆっくりとほどけかけていたのだと思います。そこへ久しぶりに実際に彼女に会って、昔と変わらぬ気配りや行動に触れて、そのわだかまりは確実に小さくなりました。



一度は親友だと思っていた人に対していつまでもわだかまりを捨てきれずにいる事は、私にとっても憂鬱な事でした。

本当に彼女が変わってしまったという事なのか、それとも私の心が狭いだけなのか、彼女の悪気はなかったであろう一言にいつまでもひっかかっているのは、私がおかしいのだろうか。おそらく昔と変わらぬ気持ちで私に接してくれてる彼女に対して、私だけがいつまでもぎくしゃくした気持ちを引きずっているのは私が間違ってるのだろうか。

そんな想いが心の中で渦巻いて、彼女と会う時はいつもどこかに憂鬱なものを感じていました。


でも今日会って久しぶりにちゃんと話をして、ここ数年ひっかかっていたものがなんとなく薄れたような気がして、自分でも意外なぐらい爽やかな気持ちで帰路に付く事ができて・・・・・


正直、会うまではかなり気が重かったのですが、会って良かった。彼女を避けていたこの数年という時間が、些細なことがきっかけで思った以上に根を張ってしまっていた私の中のわだかまりをほぐしてくれたのでしょう。


なんかやたら抽象的な書き方になってしまいましたが。


これからは、今まで程身構えずに彼女に会えそうです。また昔のように心から打ち解けて話せるようにもなるかもしれない。


きっかけをつくってくれたユウに感謝、です。


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咲良 [MAIL]

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