ゆらゆら日記...カヅミ

 

 

壁に耳あり、障子にメアリー 第12回 - 1998年05月17日(日)

「メアリーはやさしい子です」彼女は校庭の隅で蹲っていたメアリーを
抱き起こしてそう言った。メアリーと彼女たちを取り巻いてる子供たちは
立ち竦んでいた。一人の子供が叫んだ。「メアリーは化け物だ。」
ひとりが口火を切った途端、さっきまで静まっていた子供達は獣の様に騒ぎ出した。
「この化け物どもめ」彼女がそういうと子供達は化け物になった。
そうだったのだ、彼女は神様から一度だけ言ったことが本当になる能力を
もらっていたのだった。化け物になった子供達は世界征服をしました。
そしてメアリーもまた意識を回復し、何処かへいってしまいました。
彼女は子供達を化け物にした張本人ですから勿論、親からは怨まれ、世間では
魔女扱いで、孤独に打ち震えていました。
極限の状態の中で彼女は廊下を雑きんがけしてました。
音が聞こえてきました。それは幻聴か、はたまた自分が知らないうちに話してるのか。
それはこういいます。「壁に耳あり、障子にメアリー」彼女はそれを
聞くとメアリーが傍にいる心積もりになり、メアリーの必殺の笑顔で
やられた感じになります。そんなメアリーも化け物になった子供達に
食われてしまったことは彼女も知らないことでしょう。
メアリー享年14歳でした。


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