かのんウラの日記

2002年06月04日(火) 殺しちゃった

帰り道。

鳩が一羽、歩いて道を横切っていた。
私の車が近づいても、逃げようとせず一定速度で歩いてる。

このままじゃ轢いちゃうよ、と思いながらスピードを落とし
でも鳩なんだから、危険だと思ったら飛んで逃げるでしょ、と思ったし
対向車が来てるから右の車線には避けられないし
なにより面倒だし
タイヤとタイヤの間で鳩をまたぐように通るつもりで通過した。

ルームミラーとサイドミラーで後ろを確認したら
パァッと羽毛が散るのが見えて
動かない塊が道路上にぽつんと見えた。
鳩とぶつかったような感触は全くなかった。

轢いちゃった。
殺しちゃった。

へこんだ。

さっきの瞬間まで普通に生きてた鳩が、私のせいで死んじゃった。
確認してないから、実際死んじゃったかどうかはわからないけど
でも怪我をしたには違いないから
きっとこの先生きてはいられない。悪いことしたな。

と、考えながら帰ってきたんだけど。

たぶん私は、
もちろん鳩に対して可哀想なことをしたという気持ちもあるけど
「鳩を轢いてしまったこと」にへこんでるんだ。
つまり、もしその鳩が、私ではない誰かの車に轢かれたとしたら
私は鳩に対してほとんど感情を抱かないはず。
「私が鳩を殺した」ことが厭なんだ。

道を渡ってたのが犬や猫だったら
たぶん私はそれが渡りきるのを、車を停めて待ったと思う。
犬や猫のほうが、轢いたときの自分の心のダメージが大きいから。
結局鳩の命は、自分にとってさほど重要じゃないんだ。

こんな奴です。結局私は。
自分がいちばんかわいいのです。






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