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風にのって龍が翔ぶ
瑠奈
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2003年10月15日(水)
そこに僕はいた

秋の夜長、皆さんは読書などなさっていますか?

今読んでいるのは辻仁成の芥川受賞作品の「海峡の光」
辻仁成といえば女優南果歩と離婚後中山美穂と結婚して世間をあっと言わせた若手有名小説家であるが、その昔はロックバンドなんかも結成して、作詞作曲もやって多才ぶりを発揮していたようだ 辻の作品は何冊か読んでいたのだが特に好きな作家ではなかった それが先日「そこに僕はいた」という自伝的小説を読んでとても興味を持ったのだ 小学生から高校生くらいまでの少年時代のことを淡々と、しかし詳しく面白く懐かしい子どもの頃の友人やまわりの人たちとの出来事をつづったものである 現在の繊細そうな?辻からはちょっと想像できない素朴でお茶目でどこにでもいるガキ大将といったところが面白い しかしこのエッセイはただ思い出だけを綴ったのではない 彼はやっぱり小説家としての才能があったというか凄いなと感じたのは、小学生の頃からすでに人の心情を深く読み取ることの観察力が鋭かったのだ わずか八歳くらいでここまで人の気持ちを読めるものかと驚いた そしてその記憶力 少年の頃のこのエッセイを読んでから他の作品を読むとひじょうに興味深く読める 少年の頃のカラーが端々にみることが出来るのだ