まつや清の日記

2004年08月13日(金) 映画『東京原発』を観る

 原発反対の市民団体が誘致した映画『東京原発』。
 なかなか面白い。

 関西電力美浜原発事故、中部電力4号炉のコンクリート内部告発と言う真っ只中での上映会、観客も多かったような感じがしました。映画の中にふんだんに登場する原子力発電所問題点ABC、浜岡原発と東海大地震=原発震災の状況、と実に勉強になります。

 アイディアは、20年以上前のノンフィジュション作家広瀬隆氏の作品『東京に原発を』によると想像されますが、1978年のアメリカ・スリーマイル原発事故、86年のソ連のチェリノブイリ原発事故という中で広瀬氏の発言は原発神話に大きな警鐘を鳴らしてくれました。

 このアイディアに一見してわかる石原慎太郎東京都知事のこわさおよび巨大都市の脆弱さと9・11以降のテロの傾向と現代若者気質をミックしてくれた監督・山川元氏。社会派としてもサスペンスとしてもエンターチィメント映画としても注目されます。

 それにしても映画の中の東京都知事の「東京都に原発を誘致してどこが悪いのか」と地方を犠牲にして電気を受け取るだけの東京都民批判、そして、反対運動の勃発の予測とその事を材料にゴミからメタンガスそして水素の取り出し、新エネルギーという逆説の論理で幹部たちを説得するこの構図。

 脅かしの論理だけでしか物質豊かの東京都民を気づかせることができないという「諦め」と「力の構図」、ここからの脱却どうはかれるか。まさにこの論理はテロリズム、オウム真理教の地下鉄サリン事件に通底します。いろんな事を考えさせてくれる『東京原発』。静岡東映にて15日まで上映、観てください。


 < 過去  INDEX  未来 >


K.matsuya

My追加