僕らはきっと同時に、この枠組みを壊すべきか、壊さぬべきかを本当に悩んでいる。何処か一箇所にヒビが入れば、そこから一気に壊れてしまうのは火を見るより明らかだね。本当の僕は、何を思うより先に壊してしまいたいんだと思う。けれど、ハンマーを振り上げる勇気が出ないのは、君の深くて黒い瞳のせい。その瞳は、何もかもを知っていて、何もかもを知らない。僕は、どちらを選び取るべきなんだろう。